「職人の勘に頼っていた品質評価を、数値を見ながら測定できる」と話す京都大学農学部助手の西津貴久博士(撮影:吉川忠行)

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食品に含まれる空気の量を「音」で測り、膨張体積計測による工程管理や泡立ち、きめなどを品質評価する技術を、京都大学農学部助手の西津貴久博士が、東京都江東区の東京ビッグサイトで10日まで開かれている食品関連機器・技術の展示会「FOOMA JAPAN 2005(国際食品工業展)」(日本食品機械工業会主催)で公開している。

 西津博士は同展のアカデミックプラザで、卵白の撹拌(かくはん)作業中に共鳴周波数をリアルタイムに計測し、「音」の変化で泡立ち・きめなどの品質評価をするデモンストレーションを披露。コンピュータの画面を見ながら、卵白をきめ細かなメレンゲに仕立てる。

 西津博士は「この技術で職人の勘に頼っていた品質評価を、数値を見ながら測定できるため、同品質の製品を作るのに役立てられる」と話す。同技術は、パンやハンペンなどそのほかの食品の品質評価だけでなく、宇宙船の燃料タンク残量の計測にも応用でき、現在、実用化実験を行っているという。【了】

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