ジャパンブルーのユニフォームと日本の国旗がゆれる国立競技場のスタンド(撮影: 
辻勝明)

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サッカーの神様はバンコクで微笑んだ!サッカー・ワールドカップに「世界一番乗り」で3大会連続の出場を決めた日本代表。選手のいないスタジアムから送られた大声援は、観客のいないバンコクのジャパン・ブルーを奮い立たせた。「ドーハの悲劇」を乗り越え、北朝鮮を2−0で下し、フランス大会以来という自力出場。日本中が青く燃えた。

 この日の試合は、対戦相手の北朝鮮サポーターが3月のアジア最終予選のイラン戦で暴徒化したことを受け、FIFA(国際サッカー連盟)の裁定で観客なしで行うことになった。

 東京・国立競技場には、徹夜組を含め約2万1000人のサポーターが集結。ユニホームやペインティングをしたサポーターで埋まり、一面青く染まったスタンドで、高さ7メートル、幅20メートルの大型ビジョンに映し出されたイレブンの勇姿に見入った。日本選手がボールを持って敵陣に攻め込むと大歓声が沸き起こり、惜しいシュー
トには国立中がため息に包まれた。

 歓喜の瞬間が訪れたのは後半27分。柳沢選手が待望の先制点を決めると、スタンドのボルテージは最高潮。「ウオーッ」と地響きのような大歓声の後、「ニッポン、ニッポン」の大合唱が響き渡り、サポーターらは肩を抱き合って喜んだ。長いホイッスルが試合終了を告げると日本サポーターの凱歌がいつまでも鳴り止まなかった。日本の勝利を確信していたという男性会社員(27)は「最高!」とガッツポーズ。2人で日本代表のユニホームを着て応援した埼玉の20代カップルは「毎試合見に来ている。ドイツにも絶対行きます」と勝利に酔いしれた。

 東京都港区のスポーツバー「フットボール・ラバーズ」でも会社帰りのサラリーマンらが観戦。座席30席という店内は立ち見客らでごった返した。日本選手の好プレーが出る度に「行けるぞ」「惜しい、頑張れ」と声が上がり、バンコクで戦う日本代表を励ました。

 大型ビジョンでの日本戦の生中継は各地で行われ、大阪・長居スタジアムでは約1万1000人、横浜・日産スタジアムでは約4000人のサポーターが声援を送った。【了】

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