一部週刊誌が、在中国日本大使館前筆頭公使・和田充広氏(54)の女装写真をスクープ掲載。同氏が就任後7カ月で更迭された理由が、同写真と中国側のハニートラップに掛かった可能性があることを報じたが、この騒動が新たな展開を見せている。実は、和田氏の異例の更迭劇には、安倍政権が深く関与していたとの疑惑が急浮上しているのだ。
 「女装写真は例年行われる懇親会時の出し物で、これ自体に大した意味はないのです。そのため、写真をリークしたのは官邸の息がかかった外務省筋ともっぱら。安倍政権には、次期大使の呼び声も高かった和田氏を更迭しなければならない事情があった、と伝えられているのです」(中国事情通)

 この人物によれば、その最大理由が米国の方針なのだという。
 「実は、現在の木寺昌人大使はフランスや中東歴が長く、中国の動向に今一つ疎い。そこで政府は中国人民大学への留学経験を持つ生粋のチャイナスクール閥で、将来の在中国日本大使と謳われる和田氏を、昨年8月に筆頭公使に登板させたのです。ところが、尖閣問題で揺れる日米中の緩衝役を期待された和田氏は、就任後、米国の対中戦略と拮抗する親中的な姿勢を取り始めた。これが安倍首相の怒りを買い、更迭されたと見られているのです」(同)

 ちなみに、和田氏は過去にもODA担当部局から中国課長に就任という、お決まりの出世コースを棒に振った経歴を持っているほど。その際にも、「米国の強い不信感が人事を左右した」と評判だったのだ。
 「つまり、今回の更迭劇にも米国の意向が反映された可能性が高い。中国側が、『安倍政権は親中派の和田氏を切り捨てた!』と怒り心頭なのは、この裏側を知っているからとも言われているのです」(政治部記者)

 和田氏は更迭後、今年5月に福島県で開かれる「太平洋島サミット」の事務局長に就任したが、官僚の世界も一寸先は闇か。