試運転、快調です!

13日の未明、本田△圭佑さんが歴史的な一歩を刻みました。セリエA第19節、アウェーでのサッスオーロ戦。ベンチ入りしていた本田△さんは後半の20分から試合に出場し、セリエAデビューを果たしました。

その時点で試合は2ー4でミランが負けている状態。前半早々に2点を取りながら、4点を奪われてひっくり返されるという最悪の流れ。点が必要な時間、3人目の交代選手。まさに逆境に現れた救世主のような形でピッチに投入された。それは強い期待感を感じさせるものでした。

そこからの30分間。ミランは1点を返すにとどまり、勝点は取れませんでした。ポストを叩く本田△さんの惜しいシュート、味方に弾き出される本田△さんの惜しいヘッド。もし味方がちゃんと決めていれば逆転勝ちもあったのではないか…そんな苛立ちもなくはありません。

しかし、今回はあくまで試運転。本番はやはりホーム・サンシーロに帰ってからの先発出場でしょう。この試合で見せたチームを牽引するプレー・精神面両方でのリーダーシップは、90分発揮してこそのもの。「本田△を90分出さざるを得ないな」という感触は、しっかりとチームに伝わったのではないでしょうか。

ということで、本田△さんのミランデビューについて、「セリエA第19節 ACミランVSサッスオーロ戦」からチェックしていきましょう。


◆ダメになった名門をよみがえらせる転校生がやってきた!


午前6時、朝に弱い僕は1回目のアラームで目覚めました。本田△の試合は4時45分キックオフ。試合は後半15分頃か。デビュー戦だし、しばらく試合に出ていないし、試運転だし、勝っている試合の後半40分ぐらいからの顔見世だけだろう…そう想定しての起床です。

しかし、テレビをつけたとき、そこにはユニフォーム姿になる本田△の姿が。そして2ー4という得点表示。うわ、負けてる。そして、思ったより早い時間で出ている。おまけに3枚目のカードらしいぞ。戦力として頼られているというのを超え、すがられているという感覚さえ覚える想定外の起用。もしここから逆転できれば、この試合だけで「救世主」になれる…そんなシチュエーションです。

↓ミランは本田△の加入を待っていた!ロッカールームに燦然と輝く背番号10の男を!


ミラン:「ホンダ、早くきてくれー!」
ミラン:「このチームはもうダメだ!」
ミラン:「救世主が必要なんだ!」

降格圏をフラフラしている相手に4点取られたか…!

思ったよりキッツイのぉ!


そして迎えた後半20分。ついに本田△がセリエAのピッチに立ちます。「格」という意味では、この上にはもう数えるほどのクラブしかない…いや、ひとつもないかもしれないほどのメガクラブ・ACミラン。その10番として、救世主として日本人がピッチに立つ。映画のような状況にBSの実況の「本田圭佑、見参!!」という言葉にもチカラがこもります。

↓ミラン本田、ついにデビューです!


ミラン本田!

インテル長友!

クリス松村!

日本人の世界進出が止まらない!


↓現地のファンもハチマキを上下逆にして熱烈応援!


ファン:「あの選手、本田って書いてあったな…」
ファン:「おっ、『本』って書いてあるやん」
ファン:「おっ、『日』ってコレ『田』だよな…?」
ファン:「そうか、コレ本田ヘアバンドなんだな」
ファン:「こんなグッズまであるなんてごっつい選手やのぉ」

本人的にはあってるんじゃないのかな!

あってないけどな!


入った位置はボックス型の4-4-2の2列目の右。しかし、ピッチに入った本田△はポジションを変えながら自由に動きます。中盤の底まで下がってきて、中央で自分で組み立てようとする本田△。パスを受けてはそれを折り返し、チームにリズムを与える本田△。投入直後から味方に積極的に指示を出し、チームを引っ張ろうとする本田△。それはオドオドした新加入選手の動きではありません。堂々たるチームリーダーの風格さえ感じさせるもの。

↓投入直後の後半24分には、ヘッドでの惜しいシュートを放つ!


これパッツィーニいなければ入ったんじゃないのか!?

どけ、パッツィーニ!そこは本田△ロードだ!


日本では個人主義が目立つくらいの本田△ですが、むしろ今のミランではチームプレーの扇動者といった感じ。最近はブンデスリーガやプレミアリーグを見る機会が多かったわけですが、そこで見慣れた組織的な動きがこのチームにはまるでありません。

守備に回ったときにキレイに2列のラインを作り、相手とボールの動きに合わせてマークを受け渡していくような様子はなく、何か場当たり的に単騎特攻をかけて奪い取ろうとするような守備。これがミランだと言われればそうなのかもしれませんが…。

そんな中、本田△はときに逆サイドまでフリーの選手を追いかけて守備をしながら、攻撃でも味方を積極的に使うことで、何とかチームをまとめていこうとする素振りを見せます。「俺に出せ」「お前が行け」「ここは気持ちをおさえろ」…ミランの中にあっても変わらない本田△らしさ。目的は勝利、そのために何をすべきか。考えるべきは、ただそれだけです。

↓そして後半39分、ポストを叩く惜しいシュート!



これ、パッツィーニ罰金ものだろ!

ちゃんと決めろパッツィーニ!


ミランはその後、モントリーヴォのゴールで1点差に迫ります。何度もゴールに迫り、何度もあと一歩に近づく。しかし、ことごとく本田△グローリーロードの前にはパッツィーニが立ちはだかります。本田△ヘッドを身体で枠外に逸らしたとき。ポスト直撃の跳ね返りから入れるだけのシュートをGKに当てたとき。そして、後半43分の入れるだけのヘッドをクロスバーに当てたとき。口汚いファンからは露骨なヤジも飛び出す、そんな惜しい場面ばかりでした。

↓日本の下品なファンは口汚いヤジを飛ばす!



こういうファンが日本人の足を引っ張るんだよ!

黙れ心無いファン!


↓日本の下品なファンは口汚いヤジを飛ばし続ける!



同じことばっかり言ってるなコイツ!

黙れ心無いファン!


アディショナルタイム5分。最後まで奮闘するも、ミランは敗れました。CL圏内どころか、降格圏内が少しずつ見えてくる痛い敗戦。しかし、希望はあります。攻撃も守備も好き勝手バラバラにやっているチームに、強い意志とリーダーシップを持った男が加入したのです。

他人に口出すことを厭わない強さ。目的に向かって突き進む意志。想いを伝える言葉。何となく引っ張られてしまうカリスマ性。このチームに必要なものを本田△は持っています。少年漫画で、主人公が燃える闘志でダメチームを蘇らせるストーリーのように、このチームをまとめ導くことが本田△ならできるはず。ミランの小姑として、ミラン復興の立役者となってほしいものですね。


このチームならレギュラーは獲れる!今後の活躍が楽しみです!