フジ・メディア・ホールディングス(フジMHD)が株式市場で“カジノ銘柄”として再び注目を浴びている。
 それは『お台場カジノ構想』と呼ばれるものだが、ここにきてがぜん現実味をおびてきたのには、理由がある。先日、橋下徹大阪市長が『カジノ法案』提出の意向を示したせいだ。

 橋下氏は大阪府下(有力候補は大阪湾の人工島・夢洲)に施設誘致の考えを示している。すでに東京方面で準備万端のフジMHDも黙っているとは考えにくい。
 フジMHDが出資・運営する『ダイバーシティ東京』は、一昨年9月に『東京DAIBA・MICE/IR国際観光戦略総合特別区域』として、すでに東京都から認可を受けている。「MICE」とは(meeting=会議、incentive=招待、convention=学会、exhibition=展示会)の4つの頭文字をとった造語。
 韓国やシンガポールではすでに「MICE」を主要産業に位置づけ、国際会議のみならず、MICE全般の誘致・振興に積極的に取り組んでいるのだ。
 また「IR」はintegrated resort(複合観光施設)の略。
 つまり、カジノを中心に宿泊施設、飲食施設、小売施設、会議施設、娯楽施設など異なる機能を統合させた観光施設のことを指す。
 「じつはカジノ構想は別名“フジMHDゴールドアイランド構想”と呼ばれている。金がじゃぶじゃぶ使われるエリアという意味です。ということは、将来的にここにカジノができるということが約束されているということ。猪瀬知事も石原前知事の路線を受け継いで、相当前向きです」(フジウオッチャー)

 すでに昨年3月には、フジMHD内部で『特区事業室』が設立され準備に余念がない。
 現在は東京都や大阪府だけでなく沖縄県、神奈川県といった都府県もかなり前向きである。民主党や自民党などからカジノ合法化に賛成する議員が集まる「超党派カジノ議連」も合法化を目指して精力的に動いているのだ。

 そして、最近になって橋下市長が前面に出てきた。
 「傘下のフジテレビが視聴率3位とふるわない今、フジMHDが新たな鉱脈として本腰を入れるのがカジノを含んだ不動産事業。出入りのカジノ議員を抱きこんで法案を強引に通すでしょう。オープンすれば『お台場』がにぎわうのは確実です」(業界事情通)

 フジMHDはテレビ屋からギャンブル屋になるのか。