NEC LaVieのパネルを開け閉めしたときの動作設定画面
ノートパソコンの使い勝手を良くする機能は、メーカーごとに特色があり、このメーカーなら付いていて当たり前の機能が、別メーカーのモデルでは付いていないといった感じで異なることがある。具体的な例として、ノートパソコンの液晶パネルを開けた際の動作だ。スリープしていた場合、液晶パネルを開けた際の動作がメーカーごと、場合によっては同じメーカーのパソコンでもモデルごとに違っていたりするのだ。そしてNECのノートパソコンは液晶パネルを開けたとしても何の動作もせず、電源ボタンを押すことが必須だったが2012年夏モデルからはこの動作が変わる。

■ノートパソコンは電源断するよりスリープ
ノートパソコンをしばらく使用しない場合、電源を切る(シャットダウン)人も少なくないと思うが、ノートパソコンの場合、蓋を閉じてスリープ状態にして、蓋を開けただけで、スリープからすばやく復帰する方がはるかに使い勝手がいい。これはガラケーやスマホ同様の使い勝手だ。

携帯電話やスマホは着信を常時待ち続ける必要があるため、いちいち電源を切ることはない。あえて電源を完全に切っていては、スイッチを入れて起動してくるまでの待ち時間やシャットダウンさせて電源が完全に切れるまでの待ち時間にイライラしてしまうだろう。

ノートパソコンでも、液晶パネルを閉じるとスリープに移行すれば、閉じたら放置していればいい。スリープからの復帰なら1秒から5秒前後で復帰する。これをいちいち電源断(シャットダウン)し、OSを起動(コールドブート)したとすれば、両方合わせて少なくとも1分前後は待つことになるだろう。ネットブックなどの低スペックな機種の場合はその数倍の待ち時間となる。

■液晶を閉じればスリープ、開けたら復帰
ノートパソコンを持ち歩いて使うような人たちは、いちいち電源を切るような運用をしているケースは少ないようだ。ノートパソコンを持ち歩いた際の使い勝手を向上させるには、液晶パネルを閉じてスリープ、液晶パネルを開けただけでスリープから復帰という動作を”既定の動作”として登録されているほうがいい。

しかし、従来のNEC製品では、スリープさせたノートパソコンで液晶パネルを開けた場合でも何も動作せず、ユーザーが電源ボタンを押す必要があった。これに対して液晶パネルを開けただけでスリープから自動的に復帰する動作を既定としているメーカーもある。

いまさら感はあるがNECは今後の事も考えたのか、液晶パネルを開けたときの動作をユーザーが選べるようにした。NECが新しく対応したこの機能「パネルオープンパワーオン」と呼ばれ、東芝なども採用している。シャットダウン状態でも液晶パネルを開けただけで電源が自動的に入る設定に対応した。遅ればせながらも使い勝手の向上に取り組む姿勢としては好ましいと言えるだろう。


NEC 2012年夏モデル LaVie パネルオープンパワーオン


■ノートパソコンも携帯電話のような使い勝手に
Ultrabookなどは、従来のパソコンの使い勝手をよくする方向へ動いており、スリープ中に定期的に通信をするなどしてメールなどを自動受信し、スリープから復帰した直後から、最新の情報にアクセスできるようなコンセプトをインテルは提唱している。

今後、ノートパソコンはスマートフォンやタブレットなどに押され、利用者が先進国などでは伸び悩む事が予想されたりもしている。今回の液晶パネルを開けたときの動作というような、基本的な使い勝手の向上も含め、タブレットなどの台頭に対してパソコンがどう対抗していくのか今後が楽しみだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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