満州事変から2011年9月18日で80年を迎えたことを受け、中国メディアの環球時報(電子版)は「右翼の台頭で日本で軍国主義が復活した」と報じた。

 中国商務部研究員日本問題の専門家の唐淳風氏は戦後の日本の姿勢に対し、「日本は十分に反省している。平和憲法はその表れだ。日本人自身も戦争の苦難を味わっており、反戦への意識は強いはずだ。実際に小泉元首相の盧溝橋での謝罪をはじめ、何度も謝罪の意思を表明している。国際社会の日本の反省が足りないという認識は誤りだ」と述べている。

 しかし記事は、日本の反省姿勢は日中関係を改善するまでには至っていないとしたが、唐氏は「経済や民間においては安定した関係発展が見られるし、政府間でも大きな問題は起こっていない。靖国(やすくに)問題や尖閣諸島問題でも、排日運動や日本人排斥にはいたらなかった。基本的には関係は安定している」と見ている。

 現在、日本人の56%が中国の台頭に対して脅威を感じていることに対し、「かつて危害を加えた相手が力をつけて復活すれば、その存在を恐れるのは正常なこと。これは良心の呵責(かしゃく)から来るもので、中国にとっては悪い状況ではない。そのことが日本に慎重な行動をとらせるからだ」と評している。

 しかし記事は右翼の存在を指摘し、「戦争を美化し、軍国主義復活をもくろむ右翼の存在は、国際社会に懸念を抱かせる。ドイツ政府はユダヤ人への迫害に対し、主体的に賠償し周辺国家の安心を得た。しかし日本は公式な謝罪があいまいなだけでなく、ドイツにはない右翼の存在がある。右翼は戦争の痛みを知らない無知な若者に、かたよった民族主義を先導するため、彼らは衝動に走りやすい。活動メンバーの約8割が反中と見られ、軍国主義が台頭する可能性は徐々に大きくなっている。右翼の台頭は軍国主義の復活と見ていいだろう」と懸念を表明している。(編集担当:及川源十郎)