27日に予定されているセリエA開幕が深刻な危険にさらされている。ミランがイタリア・スーパーカップで勝利を収め、2011-12シーズンがスタートした翌日の7日、イタリアサッカー選手協会(AIC)はセリエAの20チームのキャプテンや副キャプテンが署名した声明を発表し、レーガ・カルチョが労働協定にサインをしなければ、リーグ戦を行わないとの考えを宣言したのである。レーガのマウリツィオ・ベレッタ会長に残された時間は3週間だ。

AICのダミアーノ・トンマージ会長は、「我々は労働協定の締結を望んでいる。シーズンが始まる前にね。ストライキをすると脅しているのではない」と話している。だが、AICの声明は明確だ。いわゆる「トップチーム外し」を認めないことも含め、労働協定にレーガがサインをするか、もしくはリーグ戦をスタートしないということである。

これに対し、ベレッタ会長は「驚いているよ。こういう条件下では、我々は決してサインをしない。そもそも、(前任者のセルジョ・)カンパーナ会長のときも受け入れなかったのに、どうして我々がトンマージの脅しに屈しなければいけないのか分からない。選手たちがストをすると脅すのは、深刻かつ無責任なことだ。とりわけ、国の現状を考えればなおさらね。800人の選手たちの平均年俸が、100万ユーロ(約1億1000万円)を上回っていることを忘れてはいけない」と不満をあらわにした。

一方で、ベレッタ会長は「だが、合意に至る余地はある。会えば良いんだ」ともつけ加えている。しかし、トンマージ会長はその後、「レーガでは20人を並ばせて、合意に至らせることもできない。(ベレッタ会長が)北京から戻ってきて驚いたと言った? まるで1年間もイタリアにいなかったみたいじゃないか。どうして合意を認めないのか、彼は説明すべきだよ」と反論している。

AICが発表した声明では、マッシモ・アンブロジーニからハビエル・サネッティ、アレッサンドロ・デル・ピエーロ、フランチェスコ・トッティといったキャプテンたちが署名しており、「やるべきことに忠実になって」、労働協定にサインをすべきだと求めている。

労働協定は前回分が満了してから1年以上が過ぎており、AICは文書の中で「2010年12月にAICとレーガが合意し、FIGC(イタリアサッカー連盟)が承認した合意は、驚くべきことに、そして受け入れられないことに、クラブの総会で無視された。現在、サッカー先進国の中で、全選手に対する労働協定が存在していないのはイタリアだけだ。よって、我々は、労働協定締結なしに新シーズンのリーグ戦をスタートすることは不可能だと考えている」と主張している。

FIGCのデメトリオ・アルベルティーニ副会長は、イタリア『スカイ・スポーツ』のインタビューで、「サインに至るための時間はある。私は楽観しているよ。ストの宣言はないし、リーグ開幕は明日ではなく、20日間の時間があるんだ」とコメント。楽観的な姿勢を示している。