意味不明な文字が羅列…北朝鮮のスパイブログか?

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韓国の主要ポータルサイトが運営するブログに、北朝鮮によるスパイブログがあるようだとして、韓国のインターネット上で大きな波紋が広がっている。

韓国のコミュニティーサイト「DCインサイド」のコメディ掲示板などでは、4日から「延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件とその後の韓国側の状況について、北朝鮮に報告しているスパイブログがある」として、あるブログに大きな注目が集まっている。

問題のブログには、ハングルではあるものの、「ケンチェルトゥコッチェムヌィビュッ…」など言葉としての意味を持たない意味不明な文章が記されており、ブログ内にはそのような掲示物が今年9月ごろから20分間隔で4000件以上も掲載されていた。

なんとも怪しいブログを見つけたのは、ある韓国ネチズン。意味不明な文章を不審に思い、翻訳で日本語に変換したところ、多数の漢字が表示されたという。その内容を、別のネチズンが再度韓国語に翻訳したところ、「海岸を起点として、攻撃を敢行した。狙いからは少しはずれて建物にも影響を及ぼすことになった。…計画からはずれる結果だが、勝利を楽しむ時間のようです」など、延坪島(ヨンピョンド)砲撃と関係するような内容が含まれていた。

スパイブログのうわさはネット上で急速に拡散。ブログのコメント欄に韓国ネチズンによる書き込みがされるようになると、該当ブログは突如閉鎖したという。現在は閲覧できない状態だ。一部のネチズンは、ブログのIDやIPアドレスを使い、意味不明な文章を投稿したと思われる住所を割り出すなど、ブログの身元捜索に躍起になっている。

韓国ネチズンたちは「5000万人の国民が団結すれば北朝鮮は最先端の武器より怖がるだろう。私たちがスパイを追い出そう!」「北朝鮮と対立しているのも問題だが、韓国にはスパイが多すぎる…」「20分間隔で4000件以上掲載されていたなんて普通のことではない」「スパイなのか…いったい正体は何なんだ?」と高い関心が集まっている。

しかし、一部のネチズンからは「不安な人びとの心理を利用し、何人ものネチズンがいたずらをしたのでは」「この程度ならスパイとは言えない」と否定的な声も出ている。

韓国では今年8月、ソウル中央地検が思想転向した元北朝鮮工作員の男(63)を国家保安法違反の容疑で逮捕・起訴している。男は1968年に武装スパイとして韓国側に侵入しようとして逮捕され、後に思想転向して韓国で生活したものの、再び北朝鮮の工作員として10年間に渡り韓国で活動。主にブログを通じて、中国にいる北朝鮮保安司令部工作員と連絡を取り合っていたという。

このような例があるだけに、今回の件もスパイブログである可能性はなきにしもあらずだ。韓国で関心が集まるブログについて、今のところ詳細は明らかになっていない。


参照:変な文字を翻訳すると延坪島の状況報告?…もしかしてスパイブログ? - クッキーニュース
参照:「ケンチェルトゥコッチェムヌィビュッ…」たくさん…スパイブログ論争 - 京郷新聞

(文:林由美)

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