【蹴日報+】清水エスパルス、長谷川健太時代に終止符 #apfn
すでに複数の筋で報道されていますが、これまで清水の監督を6季にわたって勤め上げてくれた長谷川健太監督が、今季を最後に退任する意向であることがわかりました。これはほぼ確定路線とのことです。本日にでも公式アナウンスがあるとか。
三羽ガラスが監督へ
健太といえば、元日本代表の肩書きもそうですが、清水ファンにとっては「三羽ガラス」の健太と言ったほうがなじみ深いでしょう。日本リーグ時代には別チームで活躍していた健太、堀池、大榎がJでの清水結成とともに清水へ帰ってくる。清水エスパルスというチームのスタートはそこであったと、今でも思い出します。
そんな健太が引退し、清水エスパルスの監督として帰ってきたのは、ファン冥利に尽きるとしか言えませんでした。今でこそ清水は自他共に認められる強豪として成長しましたが、健太就任当時は降格圏をさまよう弱小クラブに落ちぶれていました。
立て直しを任されたのは、J経験ゼロの監督
驚くことに、長谷川健太という男はJリーグでの指導経験ゼロのまま清水の監督に就任しています。そこには「健太しかいない」というフロントの頼み込みもあったでしょうが、それにも増して「今引き受けなければ男じゃない」という健太の清水愛が決断を後押ししたと言われています。でなければ、いち地方の大学を指導したに過ぎない新人指導者に、かりにもJ1チームの行く末を任せることなどできなかったことでしょう。
就任1年目、大方の予想通りチームは浮上せず、ついには入れ替え戦を戦うかどうかの瀬戸際まで追い詰められます。しかし若手を重用する健太の戦略が功を奏してか、最終節にてチームは残留圏に浮上。その勢いのままに天皇杯へと突入し、降格圏を争っていたチームが当時J最強の戦力を誇っていた浦和レッズと天皇杯決勝をかけて元旦決戦に臨むこととなっていました。まさにサポーターとしては地獄から天国のような展開です。残念ながら優勝を果たすことはできませんでしたが、ピッチでの選手の躍動感と、敗戦後の心から悔しがるその姿に、来期への希望を感じたものでした。
奇跡の浮上、そして
翌季からは4位、4位、5位と連続して上位進出し、期待通りに清水は蘇りました。岡崎という清水初と言っていいほどの日本人ストライカーも登場しました。この復活劇の中でチーム・サポーターともに意識し始めたのが「優勝」の2文字です。伝説に残る磐田とのチャンピオンステージを戦った1999年以来のチャンスが巡ってきたと誰しもが思ったことでしょう。
しかし、どうしてもあと1歩が足りない。守備重視の戦術はJ屈指の守備力を誇るようになりましたが、どうしても大事なところで勝ちきれないという問題を残してしまいました。また夏に強い印象を持たれた清水ですが、一方でスタートダッシュは毎年のように酷く、攻撃力と開幕からの確実な勝ち点獲得が課題となっていました。
勝負の年
そして迎えた今季です。健太監督は契約延長時に「複数年契約はしない。結果が出なかったなら退任するかまえ」と決意を表明し、背水の陣にてチームを鼓舞します。
岡崎、藤本、本田、太田、兵働ら若手への刺激と勝者のメンタリティーを植え付けるため、あの小野伸二も獲得しました。清水と小野のいきさつについては割愛しますが、まさにサポーターも長年待ち続けた選手であり、「今年こそ!」の気持ちが高まったのは事実でした。しかし一方で「今年を逃したら・・・」というネガティブな感情が生じたのもの事実ではあります。
そして迎えた開幕。清水は今までが嘘のようなスタートダッシュに成功し、課題だった攻撃力もJトップクラスにまで成長。ついにはW杯中断までの前半戦を首位で追えることに成功しました。
果たして清水の来年は
健太体制が終焉を迎えるにあたり、サポーターが気になることといえば来季のチーム状況です。たとえば清水は今季で契約が切れる代表的な選手として岡崎、藤本の両日本代表がいます。特に藤本は健太を慕って清水に入団した経緯がありますから、果たして来季も移籍せずにチームと契約延長してくれるかどうか・・・。名古屋や横浜などの資金力あるチーム名が候補にあがっていることも気がかりです。
また岡崎も健太によって覚醒させられた選手であることに間違いはないでしょう。清水以外の国内に行くことは考えられないので、ことによれば今季終了後に海外へと旅だってしまう可能性だってあります。
他にも生え抜き選手である伊東や市川の戦力外通告という噂も聞こえてきます。ポストとして大活躍してくれたヨンセンも同じく戦力外が濃厚。まさに清水にとって今季終了後はターニングポイントとなりそうな予感が満載なのです。果たして来季も戦力は維持できるのでしょうか?
国内サッカー誌からも来季の清水は心配されています。健太体制の終焉が清水復活の終焉にもなってしまう・・・そんな未来にならないためにも、フロントにはがんばっていただきたいところです。それにしても・・・シーズン中にこんなことを考えなければいけないなんてなあ。
ちなみにですが、実はGMだった久米さんが抜けた時点で健太体制がこうなることは見えていたのかも知れません。もちろんチームを強くしたのは健太監督に他なりませんが、その基盤を作り陰で支えたのは久米さんです。その久米さんは現在首位の名古屋で活躍中。この意味は・・・わかりますよね。これからJ1で優勝を目指そうとする中堅チームは、まずこの久米さんを獲得することがチーム強化への近道なのかもしれませんね。
パルちゃんとグランパスくんのほん。
posted with amazlet at 10.11.01
おすすめ度の平均:
かわいいです【関連記事】
・【蹴日報】日本人バルサ入団は誤報だった! ほか #apfn
・【蹴日報】パウル逝去|ガッザの未来|バロンドールは? ほか #apfn
・【蹴日報】トーレスがバルサに移籍!?|トリニータ消滅!? ほか #apfn
・【蹴日報】正義の裁き|ムトゥ大暴れ ほか #apfn
・【蹴日報】槙野ブンデス希望|代表スケジュールは大丈夫か? ほか #apfn
Webディレクター、プランナーにしてJFA公認C級コーチの中山氏によるブログ