韓国の教育科学技術部と韓国航空宇宙研究員は15日、韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」(KSLV−I)の3回目となる打ち上げを、2011年に計画していることを明らかにした。多くの韓国メディアが打ち上げの決定について報じており、3度目の挑戦に期待が集まっている。

 韓国と共同開発したロシアによる共同調査委員会(FRB)は、8月9日から12日まで第3次会議を開き、6月10日に行った2回目の打ち上げが失敗したことを正式に確認した。これにより、3回目の打ち上げは、2回目の打ち上げ失敗の原因究明と改善措置を行ったのち、打ち上げ時期を決定する。教育科学技術部は、打ち上げは来年中に行う可能性が高いとしている。

 しかし、韓国、ロシアともに2回目の打ち上げは「失敗」との結論を出したが、正確な原因については明らかにしなかった。今回のFRB会議では、7月の2次会議でロシア側が提示した仮説と、韓国側が追加で提示した仮説について論議を行い、具体的な失敗原因を究明するためのテストを、双方の立ち会いの下で実施することを決定した。

 韓国とロシアが共同開発した羅老号は、1段目をロシア、2段目を韓国が製造。2回の打ち上げのうち1回でも失敗となった場合は、もうロシア側が新たに1段目を提供する契約となっていた。6月に行われた2度目の打ち上げでは離陸137秒後に爆発、墜落しており、双方が責任のなすり合いを展開した。

 教育科学技術部の宇宙開発課長は「ロシア側が羅老号発射が失敗したことを認め、契約により1段ロケットを提供することになった」「だが、3回目の発射は、原因究明と改善措置を行ったのち実施する」と話している。(編集担当:新川悠)



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