大毅vs.坂田入札の裏に見る「亀田家の嘘」と「御用新聞」の不可解な言説

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 WBA世界フライ級王者の亀田大毅と、亀田兄弟の古巣である協栄ジムの坂田健史の世界戦の興行権が米ラスベガスで競争入札になり、協栄ジムが31万5,000ドル(約3,000万円)で落札した。亀田陣営は、これに猛反発してタイトル返上も辞さない構えで争う意向だという。だが落札後、大毅が20日以内に契約をしなければ、タイトルは返上ではなく、剥奪されるだけだ。それなのに亀田一家は、なぜこうも強気なのか? 業界関係者の多くは「彼らの得意のハッタリだ。単にファイトマネーの吊り上げを狙っているだろう」と見ているのだが......。

「こちらの耳にもいろんな話が聞こえてくるけど、いったい亀田はどうするつもりなのか。どうにもしようがないと思うのだが......」

 こう語って苦笑したのは、協栄ジムに近い業界関係者。

 亀田家の"御用新聞"とも呼ばれているデイリースポーツは、協栄ジムの落札を受けて「亀田陣営の不満が爆発した」などと報じ、亀田ジム関係者の話として、こんな話を伝えている。

 まず、いつもと同じく亀田家は、協栄ジムとはファイトマネーの支払いをめぐり法廷闘争が継続しているので、「今回の決定をすんなり受け入れる意思はない」という。

 また、父親である史郎氏の暴言騒動でジムが活動停止中で、兄弟を預かる東日本ボクシング協会が、「亀田ジム代理として入札に参加することを拒否したため、協栄の単独入札になったことも公正さに欠けると主張している」という。

 そして最後は、大毅vs.坂田という因縁の対決なのに、両者のファイトマネーの合計が約3,000万円という安値で落札されたことに不満を持ち、「今回の入札はあまりにも一方的だ」とも訴えているというのだった。

 だが、こうした主張には、さまざまなウソが含まれている。

 そもそも、亀田側が坂田戦について、WBAに指名試合と指定されながら協栄ジムとの交渉の席につかなかったのは亀田側の自由で、その結果、入札になったことは文句の言える筋合いではない。史郎氏が自ら巻いた種で業界を永久追放され、ジムが活動停止となり、入札に参加できなかったことも「公正さに欠ける」などといえる話ではないはずだ。

 ある協会関係者は、こう憤っている。

「実は協会側で代理人を立てて、とりあえず入札に参加だけはするという案があった。それを亀田側に提示したら、先方は、それで協会が『ファイトマネーの(吊り上げ)交渉とかもしてくれるのか』という話をしてきたので、協会側が、そこまではできないというと『それじゃええ』と話が終わってしまった」

 つまり、協会が亀田ジムの代理として入札に参加することを完全に拒否していたわけではなく、亀田側が参加を拒んだといえるのだ。

 そのうえ今回の入札では、なんと亀田プロモーションの代理人というメキシコ人プロモーターが、亀田側の正式な委任状を持ってラスベガスに登場し、入札に参加をしようとしてもいた。

 だが、いざ入札で参加料を支払う際、この代理人はメキシコのペソの小切手を出したが、参加料は米ドルの小切手か現金と定めされているため、WBAに受け取りを拒否されてしまい、入札できなかった。

 亀田陣営が参加できなかったのは、人のせいではなく、すべては自分たちの意思やミスによるもので、他人を「一方的」などど責める理屈は、まったく成り立たないのだ。

 そもそも、デイリーの記事は亀田陣営が「坂田との対戦を拒否する意向を示した」うえで、「今後、王座返上も辞さない構えで徹底抗戦する」とあるのだが、亀田側が本気で坂田戦を拒否する気ならば、わざわざ入札に参加する段取りをつけたり、落札額に不満を表明したりする必要はない。