doa(撮影:野原誠治)
 出逢いと別れの季節を迎える3月17日に、ニュー・シングル「旅立ちの歌」を発売したdoa。美しいピアノの旋律が繊細な感情を切なく演出する同曲のミュージックビデオでは、人気若手お笑いコンビのジャルジャルがPV初出演。続く「FREE WAY」ではdoa本来の雄大なロックサウンドを爽やかにかき鳴らし、情報社会でもがきながらも前進しようとする大人達に向けて、自らの内にあるまだ見ぬ未来を感じさせてくれる。

――「旅立ちの歌」は、いつ頃に作られた曲なんですか?

徳永暁人(以降、徳永):僕らはいつもデモテープをいっぱい作っててストックしていて、そこに詞をボンボン付けていくんですけど、実はこの曲のデモは結構何年か前に作った曲だったんですよ。メンバーも作った僕も存在自体を忘れていたような感じで(笑)。それで去年の11月ぐらいかな?ツアーが終ってすぐぐらいから、またレコーディングをやっていたんですけど、大田さんがある日突然に詞を付けて持って来まして。そこから始まりました(笑)。

――大田さんはなぜ、歌詞をつけようと思ったんですか?

大田紳一郎(以降、大田):デモテープのストックを聴き返していた時に、曲に番号が振ってあるんですけど、その曲は書いてなかったんですね。それで整理しようって思って、これは「FRONTIER」になったとか、これは「TAKE IT EASY」だなとか、詞がついた曲はまとめようと思ってたんです。その時にこの曲があって、多分3年くらい前ですよ。「いい曲だなぁ。なんでこの曲はみんな何も付けずにスルーしたのかな?」と思って(笑)。詞に取り組んだことはなかった曲だったけど、やってみようと思って。

――「旅立ちの歌」というテーマにしようと思ったのはなぜですか?

大田:ピアノの曲だったので、聴いた瞬間にピアノの音色とかがすごくビートルズの「Let it be」に似ているなと思って。doaに「Let it be」的な曲があったらいいなぁ、というのが浮かんで。色々と詞を書いて、「Let It Be」もそうなんですけど、春に向けて「別れ」とかを一回は詞にしてみたいなというのもあって、「旅立ちの歌」という。サビの一行目が先に浮かんだんですけどね。

――では最初に「旅立ちの歌」があって、2曲目の「FREE WAY」と3曲目の「Spicy Candy」が決まっていったんですね?

大田:そうですね。でも、「FREE WAY」は「旅立ちの歌」よりも前に録っていましたね。多分、ツアーの前だったよね?

吉本大樹(以降、吉本):ツアー中じゃなかった?

徳永:ツアー中だったかな。「旅立ちの歌」以外の2曲は、最近作ったんですよ。レコーディングは、ツアー中にチョコチョコやっていましたね。

大田:10月かな。

――「旅立ちの歌」は、先程仰っていたようにピアノの音色が印象的ですが、アレンジは最初のデモの段階からあまり変わってないですか?

大田:ほとんど変わってないですね。徳永君はもうデモテープから作り込んでくる人なので。

――今回は、大田さんが「旅立ちの歌」も「FREE WAY」も歌詞を書かれていますが、サウンドも対照的な2曲で、同じ方が歌詞を書かれていると思わなかったんですよね。「FREE WAY」の歌詞は、どういう風にして大田さんが書くことになったんですか?

大田:僕が勝手に書いちゃったんですよね(笑)。「FREE WAY」は、レコーディング中とかミックスをやっている時に、徳永君がいつも「アメリカの砂漠が見えない?」とか「まだアメリカが見えない」とか「まだ草原が見えてこない」とか言うんですよ (笑)。そういうカラッとしたものが作りたいみたいなんですよね。そういうのをずっと聞いていたので、「FREE WAY」を聴いた時に、これは多分アメリカが見えないと、またうるさいことになるなと思って(笑)。

徳永:そのまんまの詞になったという(笑)。