フランス代表のレイモン・ドメネク監督が5日、W杯欧州予選プレーオフのアイルランド戦(14日と18日)に向けたメンバー24人を発表した。故障者の影響で数名の入れ替えがあったほかは、前回10月1日に発表された予選グループリーグ最終2試合のメンバーとほぼ同じだった。

 注目を浴びたパトリック・ヴィエラ(インテル)の代表復帰は見送られた。ドメネク監督はヴィエラを外した理由について、「さまざまな要素を考慮して」と具体的には触れず、「パット(ヴィエラ)が少しずつ高いレベルに戻りつつあるのはうれしい。彼が定期的に試合に出て、我々に彼の経験をもたらしてくれるよう望んでいる」と述べるにとどめた。

 ヴィエラ本人はレキップ紙に寄せたコメントで「クラブで不動のレギュラーになっていないことから、状況はむずかしいとわかっていた」と監督の選択に理解を示しつつも、「現時点でフランスには自分のポストで自分よりすぐれた選手はいない。うぬぼれと思われるかも知れないがそう確信している」と代表歴107試合のプライドを表に出した。「W杯出場を目標として自分に課した。出られるように最大限の努力をしていく」とまだあきらめてはいない。

 ヴィエラについては、元フランス代表のロベール・ピレス(ビジャレアル)や、ジネディーヌ・ジダン氏などから、「大一番には必要不可欠な選手」と待望論が上がっていた。

 そのほかのポジションでは、背骨の疲労骨折で1ヶ月の離脱を強いられた左SBガエル・クリシ(アーセナル)の代役として、ポルトからリヨンに移籍してすぐに力を発揮しているアリ・シソコ(22)が初めて選ばれた。また、前回フランク・リベリ(バイエルン・ミュンヘン)の欠員を埋めたバフェティンビ・ゴミス(リヨン)に代わり、ロイック・レミ(ニース)が攻撃陣に復帰。前回ケガで辞退したMFヨアン・グルキュフも返り咲いた。

 なお、メンバー発表の2日前にセビージャが右SBアブドゥレイ・コンコ(25)招集の連絡を受けたと発表したが、誤報だったようだ。バカリ・サニャ(アーセナル)の控えには、これまで通りロッド・ファニ(レンヌ)が選ばれている。

 フランス代表は10日から合宿に入り、第1戦前日の13日にダブリン入りする。ドメネク監督にとっては、スペイン国王杯の日程と重なっているのが気がかりだ。