0−3の判定負けながら、特に危ないシーンもなくトップコンテンダーとしての力を見せていたレーベンだけに、残念なステロイド使用だ

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11月3日(月・現地時間)、ズッファより先月18日(土・同)に英国はバーミンガムで開かれたUFC89の大会終了後、ドラッグテストでマイケル・ビスピンと対戦したクリス・レーベンにポジティブ反応が出たことが発表された。レーベンには、9ヵ月の出場停止とファイトマネーの1/3の返納という処分が下された。

(レーベンが試合後のドラックテストでスタノゾールの反応が認められたが、スタノゾールは、1988年のソウル五輪でカナダのベン・ジョンソンが使用した薬品だ)

またもUFCトップファイターにステロイド使用が認められた。古くは02年3月にランディ・クートゥアーを破り世界ヘビー級王座についたジョシュ・バーネット(世界王座奪取は無効に)に始まり、ヘビー級王者ティム・シルビアもステロイド使用で王座を剥奪されている。

昨年7月には当時ライト級王者だったショーン・シャーク、さらに彼の王座に挑戦したエルミス・フランカの両者にポジティブ反応が出たため、1年の出場停止処分(その後、裁定を不服としたシャークは再検査を要求し、停止期間が1年から半年に軽減)とされている。

ズッファ系の大会ではWECで6月に初出場を果たしたアレッシャンドリ・ペケーニョ、ズッファ以外でも活動停止したEXC世界ヘビー級王座についたばかりのアントニオ・ペイザォンへ、7月にステロイド使用という結果が出たため、両ブラジリアンに1年間の出場停止処分が下っている。ペイザォンはこれを不服として再検査を申し出ている。

今回、陽性反応が出たレーベンはTUFシーズン1で活躍した人気選手。彼のスタノゾール使用に関してダナ・ホワイトは「とても残念だ。クリスはようやく全うな人生を歩み始めたというのに――。UFCはこのような禁止薬物の力でパフォーマンスを上げた選手を許容することは決してない」とコメントを残している。

アスレチック・コミッションの存在しない英国での大会であっても、ラスベガスで行われるのと同じテストを自ら行っているズッファ。今回はレーベン以外の21名の出場選手はネガティブの結果が出たという。

スポーツとしてMMAを定着させようという彼らの試みとは裏腹に、一部では試合前だけ薬物使用を取りやめるというケースも見られると指摘されている北米MMAワールド。ズッファでは、ファイターへ抜き打ちでのステロイドチェックをアスレチック・コミッションとともに行う案が以前から出されている。

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