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* 画像提供: UFC

長めのカーリー・ヘアにアゴひげなど、いかにもテキサス州出身男といった雰囲気で人気があった、UFC元世界ミドル級チャンピオン、まだ37歳のエヴァン・タナーが、8日カリフォルニア州のパロ・ヴェルデの乾燥しきった山岳地帯で、変わり果てた姿で発見された。

2005年2月から6月までUFC世界ミドル級チャンピオンに君臨したが、タイトル初防衛を果たせずその後2年ほどブランクを味わった。復帰を賭けて挑んだ2008年3月の岡見勇信との対戦でも敗れ、同年6月を最後にリングに上がることをしなくなった。

その後は食べ物も口にせず、人とも会わず、お酒まみれの日々を過ごし、あるいは自然界と触れ合うようにふらっと出かけたりしていたエヴァン。唯一ブログだけが自分表現の場となり、その辺りの心の中の闘いも、ブログでは正直につづられていたという。

ただし、同じ場所に6ヶ月以上住むことを好まない性格でもあったようで、マネージャーや友人らは、どんどん内向的になっていくエヴァンを大変心配していたようである。そして先月16日、彼はブログに「最小限の荷物とともに、自分探しの旅に出るつもりだ。1週間・・・いやもう少し長いかもしれない」、といった書き込みをし、それを最後に愛用のバイクで旅に出たようだ。

警察の発表によれば、心配でメールしていたカリフォルニアの友人が、9月3日にメールの返事が途絶えたこと、そして食料品や飲料が極めて少ないことをもとに捜索依頼を出したという。

続いて、キャンプの場にしたと思われるパロ・ヴェルデ山岳地帯のクラップ・スプリング・エリアに、オイルの尽きたバイクなどが発見され、遺体発見現場から想定し、エヴァンは、そこから自分の意思で歩いた可能性が極めて高いようだ。

勝つ時ばかりではない、負ける時も来るのがチャンピオン、王座というもの。そういう時に支えてくれる家族がいたら、このような無謀な独り旅などにはなっていなかったかも知れない。心からご冥福をお祈りしたいと思う。

(編集部 Joy横手)

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