今オフの移籍が噂されるバレンシアのFWダビド・ビジャの獲得に、トッテナムが乗り出した。中心選手の退団が噂されるスパーズは、ユーロ2008得点王の獲得で攻撃陣の穴埋めを狙いたい考えのようだ。

 ビジャの獲得には、同じプレミアリーグのリバプールも興味を示していた。しかし、指揮官のラファエル・ベニテス監督が、一転してトッテナムのFWロビー・キーンの獲得を熱望。キーンも移籍を望み、移籍が間近となった今、リバプール側はビジャの獲得合戦から手を引いた格好だ。

 キーンの退団に続き、ブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフのマンチェスター・ユナイテッド移籍も取り沙汰されるトッテナム。攻撃陣の中心選手を一度に2人も失うことになりそうな指揮官のファンデ・ラモス監督は、この緊急事態をビジャの獲得で乗り切りたい考えのようだ。

 トッテナム側の動きについては、ビジャの代理人を務めるホセ・ルイス・タマルゴも、「私の元にイングランドから数多くの問い合わせが届いている。ダビドを獲得すれば、ゴールが約束されているからね。もちろん、スパーズからオファーがあれば、バレンシア側も検討するはずだ。ダビドはロンドンが好きだし、ラモス監督のスタイルも気に入っている。彼の興味をひくのに十分なクラブだよ」と語り、トッテナム移籍の可能性を示唆している。

 ビジャの獲得については、3150万ポンド(約68億円)のオファーを用意していると言われるレアル・マドリーが最有力とされている。しかし、キーンとベルバトフの2人を放出するとなれば、トッテナムにもビジャ獲得に向けた資金が十分揃うことになる。チャンピオンズ・リーグの出場権を手にしていないトッテナムにとっては厳しい獲得合戦となるが、ラモス監督のスタイルに魅力を感じるビジャが来シーズンからロンドンでプレーする可能性も十分にありそうだ。