ガリバーの保証制度を批判した笹本健次氏のブログ

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   趣味の車雑誌を出している大手出版社の社長が、ブログで中古車買取会社ガリバーのやり方を批判している。買い取り後に事故車などと判明した場合のために保険に入るよう勧められたことへの意見だ。ガリバーでは、「任意で入ってもらう保証制度で、法的に問題はないと確認しています」と反論している。

事故車判明に備えて保険加入求める

   ガリバーインターナショナルの買取方法を批判したのは、月刊誌「カー・マガジン」などで知られるネコ・パブリッシング社長の笹本健次氏(58)。笹本氏は、個人ブログの2008年5月20日付日記で、「ガリバー商法にはビックリです」と題して、自らの中古車査定の体験について書き込んだ。

   笹本氏は日記で、いくつかの業者を回って、一番高額の価格提示があったガリバーに決めたと報告。しかし、契約の段階になって、次のようなことをガリバー側から言われたというのだ。

「万が一、重大なトラブル、例えば、事故車であったとか、があった場合、請求をしないで済むように保険に入ってくれ」

   「この言葉には呆れ返った」という笹本氏は、こう反論する。

「それなら、なぜ査定をしたのか理解できないし、その時、チェックできなければ、それは買った人のリスクではないのか。また、そのような事態を避けたければ、買った側の費用で保険に入るべきで、売る側の費用負担ではないはずだと思う」

   そして、「お客さんに高い値段を設定したいからです」というガリバー側の説明については、「これは、語るに落ちていて、それなら、保険料分だけ引いた額を提示されたほうが、余程、客としては、気持ちが良いはずだ」と主張した。

   笹本氏は、買い取り後のことも言うガリバー側に対し、「ルール違反」だとする。さらに、「見抜けなかった責任を売り手に押し付けようというのは、到底信じられない。こうした見せ掛けの高値につられて、ガリバーに持ち込み、実際は、余計な費用が掛かり、いやな思いをしている人はかなりいるように思う」と批判している。

「事故車の修復などを査定で見抜けないことがある」

   笹本氏が批判するのはどんな保険なのか、ガリバー広報部に聞いてみた。

   それによると、笹本氏が説明を受けたのは、加入任意の「クレームガード保証」。中古車の買い取り後、性能上、構造上の不具合が判明した場合、それによって被った損害賠償を請求する場合がある。しかし、これに加入していれば、賠償を請求しないという。加入料金は、買取価格などによって、4900〜2万9900円までの幅がある。

   査定後の賠償請求について、広報部では、「事故車の修復などを査定で見抜けないことがあるからです」と説明する。見抜けない部位としては、大きく分けて、エンジン、動力伝達、ブレーキなど7機構を挙げている。そのうえで、「目で見て分かるものは、こちらの責任になります。見落とした場合は、請求しません」と理解を求めている。

   クレームガードは、2006年7月から共済保険として始めた。改正保険業法の規制を受けるようになった08年4月からは、免許が不要な「保証」という民事上の制度にしている。

   笹本氏の「ルール違反」という指摘については、ガリバー広報部は、「いろんな方の考えがあると思いますが、法的に問題ないと確認しています」とコメントしている。

   こうした保証制度は、同業他社でも行われているのか。

   ガリバーでは聞いたことがないとし、複数の大手業者もその存在を否定した。大手のアップルオートネットワークでは、「私どもはプロとして見させていただいていますので、保険をかけるのは話が違うと思っています」と話す。ラビットのR&Wでは、「車を見て、査定員なら事故車を見極められます。査定はしっかりしていますので、うちではやっていません」。

   ガリバーの保証制度について、中古車販売会社でつくる日本中古自動車販売協会連合会の事務局長は、「かなり珍しいケースで、ほかには耳にしません」としたうえで、「お客にしてみると、『そんな話聞いたこともなく、何なのか』と思うのかもしれません」と話している。

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