就職活動の様子をブログに書くのは危険だ(写真はイメージ)

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   大学3年生の就職活動が山場を迎えつつある中で、外資系銀行は早々に内定を出している模様だ。そんななか、就職活動の様子を詳しく綴ったブログがネット上で騒ぎになり、閉鎖に追い込まれた。会社を特定できる形で「一番うんこな会社」などと非難。さらに、別の会社の面接官の態度に腹を立てて、「コノカイシャツブレテシマエバイイノニ」とカキコミ、「炎上」騒動になっている。

仏系投資銀行の内定を辞退、米系投資銀行への就職を決める

   J-CASTニュースが「東大法学部就職戦線異状アリ 財務省から超高給外資へ」という記事で報じたように、今やトップエリートは中央官庁ではなく外資系金融機関になびいている。いわば、外資は「あこがれの的」の面を強く持っている。その外資から内定を獲得したとされる女子学生のブログをめぐって騒動が起きた。

   ブログに記載されていた内容を総合すると、ブログの持ち主は、オーストラリアに滞在経験のある帰国子女の女子学生。都内で3本の指に入る有名私立大学の、帰国子女が多く在籍する学部に所属している。仏系投資銀行の内定を辞退して、米系投資銀行への就職を決めたのだという。

   この女子学生が就職活動をふり返って、外資系銀行A社からI社、9社での選考の様子を記した内容が批判を浴びたのだ。いずれの会社も、会社の所在地や

「日本でのシェアは拡大中だけど世界的には有名で歴史あるイギリス系投資銀行証券+銀行」

というように会社の概況が記されており、簡単に企業名を特定できそうな書き方だ。しかも、自分のプライドの高さをのぞかせながら、各社を非難する内容が多く描かれているのだ。
   例えば2月13日の書き込みでは、F社の選考について

「超うざい面接官。建物内でマフラーしてたけど、電通と日テレ近いから業界人の真似してんのか、きもし。そいつはうざい身なりにも増してうざい質問しかしてこなかった」

   よほど面接官の態度に腹が立ったのか、この会社については

「コノカイシャツブレテシマエバイイノニ」

という一文で締めくくられている。
   2月17日の書き込みでは、G社の「やくざそのものの風貌」をした本部長に

「アンタえげつないことできんの?」

などと圧迫面接を受けたことを告白。

「こんなことを大学生の女の子に言ってびびらせて自分に陶酔してるなんて、ばからしい」

   その翌日には選考を辞退する旨を伝えたというが、その時の様子を、このように綴っている。

「結局翌日朝に電話で辞退の旨を伝えて終了させていただいた。
『私は、選考の仕方も会社を選ぶ指標にしているのですが、御社は昨日のような面接で何を計りたいのかわかりませんでした。』
と最後に伝え、そんな自分に酔ってしまった(笑)」

文章の最後が書き換えられて、バッシングが加速

   2月25日には、H社の終盤の面接に進んだ学生が、いわゆる「無名大学」ばかりだったことから、選考が「コネ」で行われているとして絶望。「今となれば一番うんこな会社」と断じている。
   最後の更新は3月7日で、同業他社の業界内内定者懇親会の様子を

「みんな話がおもしろいし、人間味溢れる素晴らしい人たちだと思う。初対面とは感じさせない場をつくりあげてくれるのは、さすが未来の一流債券・株式セールスだなぁと」

とふり返っているが、翌3月8日には様子が一変。2ちゃんねる上で

「偶然見つけたんだがこの子なんかすごそうだぞ」

などとこのブログが紹介され、ブログのきわどい内容が問題化した。
   ところが、女子学生も2ちゃんねるを見ていたのか、ブログは遅くとも翌3月9日早朝には削除。異例の「迅速対応」だった。

   だが、検索エンジンのキャッシュなどが残っていることから。このブログをめぐる騒動は続いており、「延焼」気味だ。2月21日に、就職活動をふり返って記した。

「就職活動が終わってから早2週間、電車でリクルートスーツの人たちをみると『ああ私もそうだったな…』と肩を撫で下ろすと同時に、だんだん遠い昔の出来事のように感じます」

という文章の最後が、何故か「だんだん自分の凄さを実感します」と書き換えられて、ネット上に大量に出回り、この文面をもとにしたバッシングが加速しているのだ。

   国内企業が4月以降に採用活動を本格化させるのに対して、外資金融が2月頃には内定を出すことが多いことから、「外資に落ちた人間が、ひがんでやったのでは」との声も上がっているが、真相は不明だ。

   女子学生にとっては、自らの脇の甘さが災難を招いた形だが、救いは、本人の氏名がまだ特定されていないことかも知れない。

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