優勝トロフィーを掲げる小暮

写真拡大 (全4枚)

 F1に参戦する国内2大メーカー、トヨタとホンダが550馬力を誇るエンジンを各チームに供給し、F1さながらのフォーミュラー・マシンを操る22人の男が「日本最速」の称号を掛けて争う国内最高峰のレース、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン。3月のシリーズ開幕戦・富士スピードウェイから11月の最終戦・鈴鹿サーキットまで全9戦で行われる同選手権の第3戦が20日、栃木・ツインリンクもてぎ(62周、4,801km/周)にて開催された。

 第3戦の予選は、F1同様にスペシャルステージを採用。これは全車が同時に出走して限られた時間内でラップタイムを競う従来の方法ではなく、持ちタイムの遅い順に1台ずつが出走してタイムを競うというもの。ドライバーとしては自分より遅い他のマシンによって記録が更新できないという要因がなくなり、観客としても予選の間に次々と最速タイムが更新されていく様子を楽しむことができる。

 途中で降り出した雨にも左右された予選の結果は、2戦連続でポール・ポジションを獲得した松田次生(モバイルキャスト・インパル)、2位本山哲(アラビアンオアシス・インパル)、3位小暮卓史(ピア・ナカジマ)、4位アンドレ・ロッテラー(DHG・トムス)、5位ミハエル・クルム(アラビアンオアシス・インパル)。星野一義監督が率いるチーム・インパル勢が開幕戦から変わらぬ強さを見せた。

 フォーメーション・ラップから14時半に決勝レースがスタート。大半のマシンがレース中1回だけのピット給油を選択する中で、2回のピット給油をする代わりにマシンの燃料搭載量を減らして速さを重視した小暮は、開始わずか2周で本山と松田を交わしてトップに立つことに成功する。その後方ではロッテラーが本山と松田を交わして2位に浮上し、松田と激しく3位争いを繰り広げた本山はコースアウトして順位を大きく落とした。

 周回を重ねるごとに2位以下との差を徐々に広げていった小暮は、レースの約3分の1を終えた20周に1回目のピットイン。給油とタイヤ交換作業の間にロッテラーと松田に交わされるが、3位でコース復帰すると松田を交わして、31周目にロッテラーがピットに入ると再びトップに立った。

 その後、小暮はレースの約3分の2を終えた43周に2回目のピットイン。2位以下との差は50秒以上と開いていたために、今度はトップを譲ることなくコース復帰を果たす。最後は2位以下に20秒ほどの大差を付けて、今季初優勝を飾った。小暮はこの日の最速タイムを記録し、2ピット作戦を成功させたのは、小暮の持つ速さと、在籍4年目を迎えるチームとの連携ゆえだった。次戦決勝は、6月10日に岡山国際サーキットにて行われる。

■決勝レース結果
01. 小暮 卓史(PIAA NAKAJIMA)
02. アンドレ・ロッテラー(DHG TOM'S)
03. 松田 次生(mobilecast IMPUL)
04. ブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)
05. ロニー・クインタレッリ(INGING)
06. 本山  哲(Arabian Oasis IMPUL)
07. ミハエル・クルム(Arabian Oasis IMPUL)
08. ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(CARCHS KONDO)
09. 高木 虎之介(Team LeMans)
10. 金石 年弘(ARTA)
11. ビヨン・ビルドハイム(DoCoMo DANDELION)
12. 立川 祐路(RECKLESS CERUMO)
13. 横溝 直輝(INGING)
14. 佐々木 孝太(RECKLESS CERUMO)
15. 荒  聖治(DHG TOM'S)
16. 井出 有治(ARTA)
17. 平中 克幸(SG 5ZIGEN)
18. 吉本 大樹(SG 5ZIGEN)
R. 柳田 真孝(CARCHS KONDO)
R. ロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA)
R. 片岡 龍也(Team LeMans)
R. ファビオ・カルボーン(DoCoMo DANDELION)

Formula Nippon Official Site - 公式サイト
ツインリンクもてぎ - MOBILITYLAND

■関連記事
レースクイーン写真集:2007年フォーミュラ・ニッポン開幕戦 vol.2(2007年04月08日)
レースクイーン写真集:2007年フォーミュラ・ニッポン開幕戦 vol.1(2007年04月07日)
フォーミュラ・ニッポンが開幕、オリベイラ無念(2007年04月02日)
レースクイーン日本一が決定(2007年01月15日)