【モバイル通信の実力チェック】PHS高度化通信の限界に挑戦!W-OAM typeG対応通信カード″AX530IN″を徹底チェック
モバイル通信の実力チェックでは、最大3.6Mbps※1のHSDPA通信サービスを利用できる端末として、イー・アクセスの"EM・ONE"と、NTTドコモの"FOMA M2501 HIGH-SPEED"を紹介した。EM・ONEは1.6Mbps超え、"FOMA M2501 HIGH-SPEED"にいたっては2.2Mbps超えと、ADSL並みの高速通信を屋外で実現できるのを確認できた。
実は、HSDPA通信サービス以外にも高速なデータ通信サービスは存在する。
今回は、ウィルコムが提供する高度化通信規格“W-OAM typeG”対応の通信カード"AX530IN"を使用して、都内5箇所で通信速度をチェックしてみた。
※1 通信速度は、下りが最大3.6Mbps、上がりが最大384kbps
料金プランには、定額制の「つなぎ放題」が用意されているので、通信料金を気にしないでネットを楽しめる。
写真:W-OAM typeG対応高速通信カード"AX530IN"
通信エリアは、都市部だけでなく、郊外までを全国的にカバーする。地下鉄構内や地下街などへも広くアンテナが設置されており、"人口カバー率99%"というエリアの広さだ。ウィルコムのエリア確認ツールを利用すれば、同社が宣告に設置してある約16万のアンテナを地図上にグラフィカルに表示して、通信したい場所でのアンテナ状況をピンポイントで確認できる。
写真:エリア確認ツールの画面
"AX530IN"は、PCカード型の通信機器なので、"FOMA M2501 HIGH-SPEED"と同様に、ノートパソコンのPCカードスロットに直接差し込めば、すぐに利用できる。"EM・ONE"のように、USBケーブルを持ち歩く必要がない。
写真:"AX530IN"をノートパソコンのPCカードスロットに差し込めば、すぐに利用できる
実際に、データ通信を行うためには、、"ダイヤルアップの接続設定"を作成するが、付属CD-ROMの「Easy Setup Tool」を実行すれば、デバイスドライバーのインストールから"ダイヤルアップの接続設定"、体感速度を高速化させるツール"MEGA PLUS"、電子メールアカウントを、ウィザード形式の画面の指示に従うだけで設定できる。
写真:「Easy Setup Tool」を実行すれば、"ダイヤルアップの接続設定"を簡単に作成できる
写真:共同通信社ビル前(汐留)
表1.測定ポイントでの通信速度
受信感度は、下記のようにアンテナアークのランプの状態で確認できる。また、「AIR-EDGE Card Utility」を使うと、その場での受信感度(電波強度)が6段階のグラフで確認できる。
表2.受信感度
今回は、より正確性をきすため、「AIR-EDGE Card Utility」を使って、測定ポイントでの受信感度を測定した。
写真:「AIR-EDGE Card Utility」の画面
表3.測定ポイントでの受信感度
写真:世界連邦平和像前(三鷹)
"AX530IN"は、1×パケット方式(イチエックス)※2 を8チャンネル束ねて通信しているので、受信感度が良くても、8チャンネルを確保できなければ、最高のパフォーマンスを発揮できない。また、8チャンネルを確保した場合でも、複数のユーザーが同じアクセスポイントに集中すると、データの送信待ちにより、通信速度が低下する可能性が高い。
※2 データをパケット単位に分割して転送する通信方式
イー・アクセスの"EM・ONE"と、NTTドコモの"FOMA M2501 HIGH-SPEED"と比べると、通信速度はおよそ1/10と、パフォーマンスはかなり落ちる。その点は、ウィルコムも考えていて、インターネット上の送信プロトコルや画像ファイルの最適化を行う「MEGA PLUS」を利用すれば、Webブラウズとメールの送受信において、体感速度を最大500%に高速化できる。たとえば、画像の最適化レベルは、4段階に設定できるので、画像を粗くして通信速度を高速化させるなど、ユーザーの利用目的に合わせた設定が可能だ。
写真:最適化ツール「MEGA PLUS」の画面
一方、カバー率の高さはピカイチで、通信速度は20〜40kbpsとなるが、地下鉄銀座線(六本木-秋葉原)や大江戸線(六本木-汐留)の中でも問題なく使うことができた。フラッシュによる動画を多用したウェブを見るのはツライが、ニュースサイトで最新の記事を確認したり、メールを送受信するには十分なパフォーマンスがあった。
ウィルコムは2007年度以降、通信利用者の多い地域から基地局回線の光IP化を進めるという。大容量通信が可能な光IP化により、W-OAM typeG対応エリアで対応端末を利用した場合、8×パケット通信で最大約800kbps超のデータ通信が可能になるそうだ。今後の展開に期待したい通信規格である。
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■AX530IN
■ウィルコム
編集部:関口 哲司
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実は、HSDPA通信サービス以外にも高速なデータ通信サービスは存在する。
今回は、ウィルコムが提供する高度化通信規格“W-OAM typeG”対応の通信カード"AX530IN"を使用して、都内5箇所で通信速度をチェックしてみた。
※1 通信速度は、下りが最大3.6Mbps、上がりが最大384kbps
■"AX530IN"の特徴と通信エリア
ウィルコムの"AX530IN"は、独自の通信技術"W-OAM typeG"をサポートしたデータ通信カードだ。"W-OAM typeG"対応エリア内であれば、8xパケット方式で最大512kbpsの高速データ通信ができる。"W-OAM typeG"は、同社がこれまでに提供した3つの変調方式に加え、より高速な"64QAM"、"32QAM"、"16QAM"に対応しているので、電波の状態に応じた変調方式の切り替えをスムーズに行い、回線が途切れない安定したデータ通信を利用できる。料金プランには、定額制の「つなぎ放題」が用意されているので、通信料金を気にしないでネットを楽しめる。
写真:W-OAM typeG対応高速通信カード"AX530IN"
通信エリアは、都市部だけでなく、郊外までを全国的にカバーする。地下鉄構内や地下街などへも広くアンテナが設置されており、"人口カバー率99%"というエリアの広さだ。ウィルコムのエリア確認ツールを利用すれば、同社が宣告に設置してある約16万のアンテナを地図上にグラフィカルに表示して、通信したい場所でのアンテナ状況をピンポイントで確認できる。
写真:エリア確認ツールの画面
"AX530IN"は、PCカード型の通信機器なので、"FOMA M2501 HIGH-SPEED"と同様に、ノートパソコンのPCカードスロットに直接差し込めば、すぐに利用できる。"EM・ONE"のように、USBケーブルを持ち歩く必要がない。
写真:"AX530IN"をノートパソコンのPCカードスロットに差し込めば、すぐに利用できる
実際に、データ通信を行うためには、、"ダイヤルアップの接続設定"を作成するが、付属CD-ROMの「Easy Setup Tool」を実行すれば、デバイスドライバーのインストールから"ダイヤルアップの接続設定"、体感速度を高速化させるツール"MEGA PLUS"、電子メールアカウントを、ウィザード形式の画面の指示に従うだけで設定できる。
写真:「Easy Setup Tool」を実行すれば、"ダイヤルアップの接続設定"を簡単に作成できる
■通信エリア・実際の速度チェック
測定は、これまでと同様に、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba、新宿アルタ前、六本木ミッドタウン、汐留、三鷹駅の5箇所で、下りの転送速度を測定した。測定に際しては、"MEGA PLUS"を無効にした。写真:共同通信社ビル前(汐留)
測定ポイント | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 |
新宿アルタ前 | 0.11Mbps | 0.17Mbps | 0.21Mbps | 0.19Mbps |
ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba | 0.19Mbps | 0.24Mbps | 0.22Mbps | 0.24Mbps |
六本木ミッドタウン | 0.22Mbps | 0.2Mbps | 0.24Mbps | 0.24Mbps |
共同通信社ビル前(汐留) | 0.24Mbps | 0.24Mbps | 0.24Mbps | 0.24Mbps |
世界連邦平和像前(三鷹) | 0.12Mbps | 0.12Mbps | 0.12Mbps | 0.11Mbps |
受信感度は、下記のようにアンテナアークのランプの状態で確認できる。また、「AIR-EDGE Card Utility」を使うと、その場での受信感度(電波強度)が6段階のグラフで確認できる。
緑点灯 | 安定した通信が行える |
緑点滅(長い点灯、短い消灯) | 3段階の点滅で、電波の状態がわかる。ランプの点灯時間が長いほど、電波が強い |
緑点滅(点灯と消灯が同じ感覚) | |
緑点滅(短い点灯、長い消灯) | |
赤点灯 | 圏外で、通信できない |
消灯 | 電源OFFの状態 |
今回は、より正確性をきすため、「AIR-EDGE Card Utility」を使って、測定ポイントでの受信感度を測定した。
写真:「AIR-EDGE Card Utility」の画面
測定ポイント | 受信感度 | 状態 |
新宿アルタ前 | 6 | 良好 |
ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba | 6 | 良好 |
六本木ミッドタウン | 6 | 良好 |
共同通信社ビル前(汐留) | 6 | 良好 |
世界連邦平和像前(三鷹) | 6 | 良好 |
カバー率の高さ・安定性が魅力 - 通信速度が課題
測定ポイントでの通信速度を見ると、世界連邦平和像前(三鷹)を除いた測定点では、ほぼ200Kbps(0.2Mbps)の通信速度であった。測定ポイントでの受信感度から、受信感度が良好でも、必ずしも高速な通信ができないことがわかった。では、通信速度の差は、どこから生まれるのだろうか?写真:世界連邦平和像前(三鷹)
"AX530IN"は、1×パケット方式(イチエックス)※2 を8チャンネル束ねて通信しているので、受信感度が良くても、8チャンネルを確保できなければ、最高のパフォーマンスを発揮できない。また、8チャンネルを確保した場合でも、複数のユーザーが同じアクセスポイントに集中すると、データの送信待ちにより、通信速度が低下する可能性が高い。
※2 データをパケット単位に分割して転送する通信方式
イー・アクセスの"EM・ONE"と、NTTドコモの"FOMA M2501 HIGH-SPEED"と比べると、通信速度はおよそ1/10と、パフォーマンスはかなり落ちる。その点は、ウィルコムも考えていて、インターネット上の送信プロトコルや画像ファイルの最適化を行う「MEGA PLUS」を利用すれば、Webブラウズとメールの送受信において、体感速度を最大500%に高速化できる。たとえば、画像の最適化レベルは、4段階に設定できるので、画像を粗くして通信速度を高速化させるなど、ユーザーの利用目的に合わせた設定が可能だ。
写真:最適化ツール「MEGA PLUS」の画面
一方、カバー率の高さはピカイチで、通信速度は20〜40kbpsとなるが、地下鉄銀座線(六本木-秋葉原)や大江戸線(六本木-汐留)の中でも問題なく使うことができた。フラッシュによる動画を多用したウェブを見るのはツライが、ニュースサイトで最新の記事を確認したり、メールを送受信するには十分なパフォーマンスがあった。
ウィルコムは2007年度以降、通信利用者の多い地域から基地局回線の光IP化を進めるという。大容量通信が可能な光IP化により、W-OAM typeG対応エリアで対応端末を利用した場合、8×パケット通信で最大約800kbps超のデータ通信が可能になるそうだ。今後の展開に期待したい通信規格である。
■これもオススメ!モバイル 最新ニュース
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編集部:関口 哲司
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