槇原が松本を「盗作問題」で提訴 泥仕合勝つのはどっちだ
歌手の槇原敬之さんが漫画家松本零士さんを提訴したことが2007年3月23日にわかった。「作品を盗作された」としていた松本さんが、「法的処置は考えていない」と発言したことで、二人の争いはうやむやのまま終わるかに思われたが、「盗作」呼ばわりされた槇原さんの怒りは収まっていなかった。ヤフーはこの件について緊急アンケートを実施。約60%が「泥仕合を更に悪くした印象」など、訴えた槇原さんにマイナスに働くと回答している。
「盗作者」とされたまま、活動を続けるのに納得できなかった
2007年3月22日付けの「日刊スポーツ」は、
「槙原はこのほど、松本氏に盗作した証拠の提出を求める『著作権侵害不存在確認等請求』の訴えを東京地裁に提出した。証拠が示されなかった場合、仕事上のダメージを受けたとして、2200万円の損害賠償を求めるとしている。来週、第1回口頭弁論が予定されている」
とし、槇原さん側はシンガーソングライターにとって最も屈辱的な「盗作者」とされたまま、活動を続けるのに納得できなかった、と書いている。
この騒動はJ-CASTニュースが「槇原VS松本零士『盗作』騒動泥仕合」(06年11月 9日付け)で報じたように、槇原さんが人気デュオ「CHEMISTRY」に提供した「約束の場所」(06年10月4日発売)の歌詞と、松本さんの代表漫画「銀河鉄道999」の文章がそっくりだと、松本さんが槇原さんに抗議をした。
問題の部分はこうだ。
『時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない』(松本さんの文)
『夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない』(槇原さんの詩)
槇原さんの所属事務所は「槇原が自分の言葉で作ったもの」と完全否定。「銀河…」を読んだことすらないとした。槇原さんは自身のブログに06年11月7日付けで、
「今回私が創作した歌詞は全くのオリジナル。松本氏が本当に盗作だとお考えならば、メディアを使って騒ぎ立てるのではなく、正々堂々と裁判で決着していただきたい。さもなければ、公式な謝罪を頂きたい」
それに対する松本さんの意見がサンケイスポーツに掲載された。
「『どっちが謝らないといけないのか分かっていない』と反発。槇原の主張に『自分が恥をかくだけなのに何を血迷っているのか…』と首をかしげた。また、槇原が法的手段での決着を望んでいることには、『裁判で争う気は毛頭ないが、提訴されたら受けてたつ』と明言した」(06年11月8日付けの紙面)
裁判では槇原さん有利の可能性が高い?
しかし、年が明けて、松本さんが日テレ系の情報番組「ズームイン!!SUPER」の取材に対し、
「放っておいても大丈夫。法的措置?何も考えていない」と答えたことで、「うやむやのまま収束」という憶測が大半を占めるようになった。
しかし、槇原さんの「裁判で決着」という考えはホンキだった。J-CASTニュースは槇原さんの所属事務所ワーズアンドミュージックに取材を申し込んだが、
「(訴訟の経緯などについて)事務所としてはノーコメントにさせてもらっています」
と答えるだけだった。
ヤフーはこの件で「緊急アンケート」を07年3月23日に実施した。「槇原敬之の“銀河鉄道999セリフ盗作騒動”。『汚名を着せられた』として松本零士を提訴しました。これは、槇原にとってプラス? マイナス?」という内容だ。21時までに24,958票が投じられ、「マイナスになる」が60%、「プラスになる」が23%、「どちらでもない」が19%で「マイナス」が圧倒的に多い。その理由は、
「醜いですね 素直に盗作してないと言えばいいのにそれかお金がないのかな?」
「槇原にとっていいことは何もないと思う。あのまま灰色で終わらせるべきだったと思う」
「意図的盗作じゃないのは世間もわかっているはず。しかし似ているという事実は免れない。逆切れしては、槙原は知能レベルが低くみえてしまう」
などだ。「いまさらなぜ?」という意見が多く目に付く。
槇原さんと松本さんの騒動をウオッチしてきた山口貴士弁護士は、今回の裁判について
「今回の提訴は安易な盗作騒ぎに警鐘をならすものと言えます。判決に至った場合、槇原氏側の『著作権侵害ではない』という主張が認められる可能性は高いと思いますし、短いフレーズに関する著作権侵害の判断基準について、参考となる判決が出されるのではないかと注目しています」
とJ-CASTニュースにコメントを寄せた。