まるでC級かD級のホラー映画。J1参入プレーオフはサッカーの本質からズレている
大宮アルディージャと東京ヴェルディが対戦したJ1参入プレーオフ。気がつけば「昇格プレーオフ」という名前ではなくなっていた。
今季から、参入プレーオフを勝ち抜いたチームがJ1の16位と昇格プレーオフを争う方式に変更になったのだ。これまで16位のチームは、17位、18位と同様、自動的に降格したが、今季から入れ替え戦=昇格プレーオフという救済措置が設けられることになった。
降格枠、昇格枠はそれぞれ3から実質2.5に縮小された。J1のチームにとって歓迎すべき変更であり、J2のチームにとっては好ましくない変更だ。入れ替えの幅はなぜJ1有利に縮小されたのか。
大宮(J2リーグ5位)対東京V(J2リーグ6位)に話を戻せば、結果は1-0で東京Vの勝利に終わった。
ご承知の通り、リーグ戦で成績下位のチームが勝ち抜くためには勝利が義務づけられている。引き分け、同点ではダメ。しかもアウェー戦。ホーム&アウェーではない敵地での90分1本勝負だ。
東京Vは後半13分、MF内田達也が累積2枚目の警告で退場処分に遭い10人での戦いを余儀なくされていた。1人少ない状況にもかかわらず、セットプレーから1点を奪い、勝利を掴むことに成功した。
退場で10人になるまで、試合を押していたのは東京Vだった。引き分けではダメ。勝利以外道はない90分の1本勝負。力が拮抗していれば、そうなるのが自然の摂理だろう。
一方が攻めて一方が守る。J1参入プレーオフは特殊な試合展開になっていた。東京Vのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、スペイン人監督ながら守備的な手堅いサッカーをする監督として知られる。この一戦にも最終ラインに常時3人が構える3-4-2-1で臨んだ。にもかかわらず、内田が退場した後半13分まで東京Vは大宮を圧倒した。セットプレーが決まり、1-0で勝利したが、もしこれが入っていなければ、引き分けていた(敗れていた)可能性がある。
実際、決定的なチャンスは、試合を優勢に進めていたにもかかわらず、ほぼゼロだった。リスクを負わない攻撃だったからだ。最終ラインには繰り返すが常時3人残っていた。2バックで対応する4バックの一般的な布陣より1人余っていた。言い換えれば、前線に1人少なかった。
FKから平智広のヘディングシュートが決まったのは後半26分だが、それが決まっていなければ、ロティーナ監督は10人になっていたとはいえ、4バックにして前線に1人人数を増やして、得点を狙いに行ったのではないだろうか。
勝利以外に道はないにもかかわらず、実際のサッカーはあまり攻撃的ではない。大宮戦ではその特殊性が露わになることはなかったが、次戦対横浜FC戦ではどうだろうか。
終盤、大宮の猛攻を耐え忍び、無失点で切り抜けると、東京Vの選手はまるで昇格を決めたかのように歓びを爆発させた。J1昇格までの道のりは長い。残された90分1本勝負のアウェー戦2試合を、2連勝で切り抜ける必要がある。少し喜びすぎのように見えたが、それ以上に違和感を覚えたのが、厳しすぎる昇格の条件だ。
入れ替え戦=昇格プレーオフぐらいはホーム&アウェーで、と言いたくなる。先ほど2.5枠と述べたが、J1の16位側にはホームで戦える利点も加わるので、実際には2.2枠ぐらいだ。3枠から一気に0.8減った計算になる。J1側になぜ急にここまで有利な設定に変わったのか。
戦う前から両チームには大きなハンディ差が存在する。これでは試合の戦い方に大きな影響が出る。この大宮対東京V戦がそうだったように、試合は大味になりがちだ。引き分けでもいい上位チーム(大宮)は、慎重に試合を進めようとする。その結果、精神的に守勢に回る。
今季から、参入プレーオフを勝ち抜いたチームがJ1の16位と昇格プレーオフを争う方式に変更になったのだ。これまで16位のチームは、17位、18位と同様、自動的に降格したが、今季から入れ替え戦=昇格プレーオフという救済措置が設けられることになった。
大宮(J2リーグ5位)対東京V(J2リーグ6位)に話を戻せば、結果は1-0で東京Vの勝利に終わった。
ご承知の通り、リーグ戦で成績下位のチームが勝ち抜くためには勝利が義務づけられている。引き分け、同点ではダメ。しかもアウェー戦。ホーム&アウェーではない敵地での90分1本勝負だ。
東京Vは後半13分、MF内田達也が累積2枚目の警告で退場処分に遭い10人での戦いを余儀なくされていた。1人少ない状況にもかかわらず、セットプレーから1点を奪い、勝利を掴むことに成功した。
退場で10人になるまで、試合を押していたのは東京Vだった。引き分けではダメ。勝利以外道はない90分の1本勝負。力が拮抗していれば、そうなるのが自然の摂理だろう。
一方が攻めて一方が守る。J1参入プレーオフは特殊な試合展開になっていた。東京Vのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、スペイン人監督ながら守備的な手堅いサッカーをする監督として知られる。この一戦にも最終ラインに常時3人が構える3-4-2-1で臨んだ。にもかかわらず、内田が退場した後半13分まで東京Vは大宮を圧倒した。セットプレーが決まり、1-0で勝利したが、もしこれが入っていなければ、引き分けていた(敗れていた)可能性がある。
実際、決定的なチャンスは、試合を優勢に進めていたにもかかわらず、ほぼゼロだった。リスクを負わない攻撃だったからだ。最終ラインには繰り返すが常時3人残っていた。2バックで対応する4バックの一般的な布陣より1人余っていた。言い換えれば、前線に1人少なかった。
FKから平智広のヘディングシュートが決まったのは後半26分だが、それが決まっていなければ、ロティーナ監督は10人になっていたとはいえ、4バックにして前線に1人人数を増やして、得点を狙いに行ったのではないだろうか。
勝利以外に道はないにもかかわらず、実際のサッカーはあまり攻撃的ではない。大宮戦ではその特殊性が露わになることはなかったが、次戦対横浜FC戦ではどうだろうか。
終盤、大宮の猛攻を耐え忍び、無失点で切り抜けると、東京Vの選手はまるで昇格を決めたかのように歓びを爆発させた。J1昇格までの道のりは長い。残された90分1本勝負のアウェー戦2試合を、2連勝で切り抜ける必要がある。少し喜びすぎのように見えたが、それ以上に違和感を覚えたのが、厳しすぎる昇格の条件だ。
入れ替え戦=昇格プレーオフぐらいはホーム&アウェーで、と言いたくなる。先ほど2.5枠と述べたが、J1の16位側にはホームで戦える利点も加わるので、実際には2.2枠ぐらいだ。3枠から一気に0.8減った計算になる。J1側になぜ急にここまで有利な設定に変わったのか。
戦う前から両チームには大きなハンディ差が存在する。これでは試合の戦い方に大きな影響が出る。この大宮対東京V戦がそうだったように、試合は大味になりがちだ。引き分けでもいい上位チーム(大宮)は、慎重に試合を進めようとする。その結果、精神的に守勢に回る。