で、相手に1点奪われ、得点が必要になると急に攻め始める。この試合では東京V側に退場者が出たこともあるが、大宮はそれを機に、今度はほぼ一方的にしかもパワープレーを頻繁に交えながら攻め立てた。

 普通の状態がないので、試合は絶えずドタバタと荒れていた。日本人選手はパニックに陥りやすい気質であると見ているが、その悪い癖が発揮されやすい環境になっていた。エンタメ性に溢れた展開とも言えるが、それは上級ではけっしてない。B級ホラーという言い回しがあるが、この際、それは褒めすぎで、C級かD級のホラーというべきだろう。

 主審の腕がよくないと、試合が荒れる可能性も秘めている。実際、この試合でも東京Vは退場者を出したが、内田に2枚目のイエローを翳した高山主審の笛は、いささか厳しいように見えた。

 90分1本勝負では、それで試合が決まってしまう可能性が高い。東京Vは、それを最大3試合続けてクリアしなければJ1昇格を果たせない。入れ替えの制度として問題ありといいたくなる。もう少し本来の実力が発揮されやすいフェアで真っ当な試合が見たい。今季から変更になった参入プレーオフ、昇格プレーオフの仕組みは、サッカーの本質から外れている気がする。来季から再考を促したい。せめて昇格プレーオフは、延長ありのホーム&アウェーで行うべきだろう。