新車との価格差が30万円というクルマ

 最近の中古車市場で気になるのは、少し前のホンダのスポーツモデルが驚くほど高値で推移していること。そんなモデルたちと相場を紹介しよう。

1)NSX(初代)

 筆頭は初代NSXだ。現行のNSXが期待外れだったというか、従来のNSXファンの嗜好と合致しなかったこともあり、平均価格で1年前よりおよそ100万円も高い、600万円前後が主流になっている。

 NSXは、1990年のデビュー時の新車価格が800万円だったことから、中古で600万円という価格はかなり根強い人気を誇っている証しで、当面値下がりしそうもない。またホンダのリフレッシュプランもバックオーダーを抱えていて、そうとう待たされる(5月31日現在 約12カ月待ち)状態が進んでいる。

2)シビックタイプR(初代)

 続いて、2017年9月にデビューした5代目シビック・タイプRの登場で再評価されてきつつある初代のシビック・タイプR(EK9型)。EK9はタマ数がかなり少ないこともあり、かなり強気のプライスが続いている。中古車の平均価格は140万円前後。後期型のちょっと程度のいいものだと、170万円ぐらいになってしまう。新車価格が200万円だったことを考えると、ちょっと中古車には手が出せないという方が多いかもしれない。

 また、同じシビックタイプRでもEP3(2代目)なら人気が薄く、平均価格は85万円ぐらいになっていることもお伝えしておきたい。

3)インテグラタイプR(初代)

 さて3台目は、インテグラタイプR(DC2型)。EK9よりも生産台数が多いこともあり、中古車のタマ数も多いが、中古車の平均価格は100万円。しかし後期で程度がいい個体だと、160〜180万円になってくる。余談だが、DC5でも意外に高く(?)、120万円ぐらいが目安となっている。

 EK9もDC2も、タイプRらしいタイプRで、今でもたしかに魅力があるが、車両価格が高いのに加え、ホンダの純正部品がどんどん製造廃止になっているのが怖いところでもある。

4)S2000

 4台目はS2000。一時期よりは少し価格が落ち着いてきたが、それでも平均価格は200万円ぐらい。1999年〜2009年までの10年間製造され、大きくわけても2リッターエンジンを積むAP1が前期、中期、後期、2.2リッターエンジンのAP2も前期、後期モデルがある。

 本田技研工業創立50周年記念で作られたクルマで、FRのオープン。中古車になって、輝きが増した感があるクルマだ。狙い目は、AP1中期の120型。探せば130万円ぐらいから、まずまずの程度が手に入る。

5)ビート

 最後はビート。S660が登場してどうなるかと思ったが、平均価格は60万円ぐらいで落ち着いている。タマ数はけっこう多く、トラブルもひと通り出切ってウィークポイントは修理済みというクルマが多い。また、EK9やDC2と違って、NSXとビートは補修部品にそれほど困らないというのが安心。

 価格はこれから徐々に下がるかもしれないが、純正部品の再販・再生産も決まったこともあり、好きな人は買い時かもしれない。