広島県庄原市の木山耕三市長が、2018年1月10日に行われた定例会見で「中国からジャイアントパンダを誘致したい」との意向を明らかにしたと、中国放送が報じている。

1月6日付の中国新聞によると、同市の仕事始め式でも誘致に言及したとのことで、市長の「本気度」はかなり高いようだ。


実物のパンダは是非見たいが(画像はイメージ)

中国側からは「まずはパンダのことをよく知ってほしい」

2017年6月に上野動物園でシャンシャンが誕生し、12月からは公開が始まったこともあって、パンダへの注目度は高い。

とはいえ、パンダの誘致は希望すればできるというものでもない。あくまで中国と「共同研究」を行うという形で借り受けて飼育する必要があり、その「レンタル料」は2頭で7800〜9500万円ともいわれ、決して安くはない。本当に誘致に取り組むならば、かなりの財源を確保する必要がありそうだ。

「庄原市の概況(平成29年10月)」によると同市は近年人口減少に悩んでおり、「自主的財源に乏しく、国への依存度が高い」と明記されるなど、余裕がある状況ではなさそうだ。

ツイッター上でも広島県民と思われるユーザーからは、

と庄原市へのパンダ誘致を疑問視する声が挙がっている。また、庄原市が山に囲まれた県境に位置し、広島市などから行くには交通の便にやや難があるためか、

とする投稿も見られた。

実際のところパンダ誘致の話はどこまで進んでいるのか。Jタウンネットが庄原市に取材をしたところ、「あくまでも市長の希望で、具体的に何かが決定しているわけではない」という。

「市長が友好都市である中国四川省の綿陽市を訪問した際、同市にある中国ジャイアントパンダ保護研究センターを見学し感銘を受け、是非庄原でもパンダを飼育したいと希望している段階です」

ただ綿陽市からは「誘致の前にパンダのことをよく知ってほしい」と言われており、そもそも市内に飼育が可能な施設もない。そのため、まずは来年度から国内でパンダを飼育している施設の調査を開始する予定だ。