ソフトバンクと日建設計がスマートビルディング分野での業務提携を発表!

ソフトバンクと日建設計は27日、都内にて共同記者会見を行い、AIやIoT、ロボット技術などを活用した「次世代スマートビルディング」の設計開発などを鏡胴で行うことを目的とした業務提携を発表しました。

ソフトバンクはこの提携に基づき「両社で具体的なフィールドを選定し共同実証実験を順次開始する」としています。


ソフトバンクが持つAI技術やIoT技術などをフル活用し効率的且つ経済的なビル運用をめざす


■建築のプロとIT技術のプロがスマートビルディング構想で強力タッグ!
日建設計は国内有数の建築設計事務所で、東京スカイツリーや東京ミッドタウンなど、特徴的で先進性の高い建築物やビル群を数多く設計・開発している企業です。この日建設計にスマートビルディングの提案を行ったのがソフトバンクです。

提案は今年の夏頃に行われたとしており、具体的な設計や建設計画などはまだこれからといったところ。まずは既存のビル群におけるIoT活用やロボット技術の活用を探りつつ、いずれは設計段階から各種テクノロジーを投入した最新のスマートビルディング構想へと繋げていきたい考えです。


限られた土地を最大限に活かせる形として、三角形から次第に円形へと変化する独特のタワー構造を編み出したのも日建設計だ


会見では初めに日建設計 代表取締役社長の亀井忠夫氏が登壇し、「ビル運用における消費エネルギーや維持管理コストの削減に異業種の知見を融合することが有効だと考える。オフィス環境の改善や働き方改革、セキュリティおよび利便性の向上などに期待している」と、ソフトバンクが持つさまざまな先進技術への思いを語りました。


日建設計 代表取締役社長 亀井忠夫氏



1人1人が快適に過ごせるオフィス環境作りが求められる時代が来ている


続いて登壇したソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの今井康之氏は「日建設計は業界でも圧倒的No.1の企業。その企業と提携しAIやIoT、ロボット技術を投資する機会を得られた」と切り出すと、現在のビル経営の課題などにも言及。「オフィスビルの運用費は建築費の約5倍も掛かる」として、この運用コストの削減に各種テクノロジーが活かせると強くアピールを行いました。


ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COO 今井康之氏



オフィスビルは建てるまでよりも管理・維持にかかるコストのほうが圧倒的に多い


運用コストの具体的な削減案としては、環境センサーや人感センサーなどを活用した効率的な空調制御や電源管理、ビルメンテナンスにおいて大きなウェイトを占める清掃業務のロボット化などが挙げられました。

特にビルメンテナンスに関連した清掃ロボットについては、11月21日から22日まで都内ベルサール汐留にて開催された「SoftBank Robot World 2017」にも出展した、ソフトバンクが出資する米国のスタートアップ企業「ブレインコープ」の自律走行式スクラバー「RS26」が紹介され、自動清掃車両による人件費コストの削減などが具体的に示されました。


「SoftBank Robot World 2017」に出展した自律走行式スクラバー「RS26」


RS26はあらかじめ設定されたルートを走行するだけでなく、ルートの状況をカメラや各種センサーによって判断し、障害物を避けたり危険を察知して回避行動を取るなど、安全に配慮したAI技術が取り入れられています。また複数のRS26同士で情報を共有するため、1台が遭遇した障害物情報を共有したり、ルート上の危険などを学習していくのが大きな特徴です。

SoftBank Robot World 2017でのRS26の走行デモは以下の動画からご覧いただけます。


S-MAX:自律走行式スクラバー「RS26」

動画リンク:https://youtu.be/6bSTdlE7CSA

ソフトバンクはこれらIoTおよびロボット技術の活用により「コスト削減効果は40%を想定している」として強い自信を示し、同社が2016年に3兆円を超える巨額の買収を行った英国企業・armの名前も挙げ「IoT時代のセキュリティを担う重要な投資だ」としてスマートビルディングへの活用にも意欲を見せていました。


さまざまなデバイスの基幹たるCPUやAPUにおいて圧倒的シェアを誇る半導体企業「ARM」を買収したアドバンテージを活かしたいソフトバンク


冒頭でもお伝えしたように、この業務提携の具体的なスケジュールはまだほとんど立っておらず、まずは既存のビルシステムの改良を目標として連携が進められていく予定です。常に先進的なデザインと構想を持って設計を行ってきた「建築のプロ」と、さまざまな最先端テクノロジーを活用してきた「IT技術のプロ」のタッグから何が生み出されるのか、今から興味深いところです。



記事執筆:あるかでぃあ


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