勝ち組になれなかった40代は“引き分け”を目指せ――今の会社に定年までしがみつく、“細く長く”生き残る方法

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 会社では出世街道から外れた、ただの先輩。家では妻子の言いなりで居場所がなく、休日も寝て過ごして気づけば月曜日。40代会社員200人調査では、そんな理想とかけ離れた“どんづまり”な現実が浮き彫りに。でもSPA!は言いたい。「負けなきゃいい。引き分けでいいじゃないか!」

◆出世や高収入は幸せに直結しない!?

 40代男性にとって、仕事はどれほど苦しみの元凶になっているのか。「“どんづまり”を感じる原因はなんですか?」というアンケートを全国の都市部で暮らす40〜49歳のサラリーマン200人(既婚者・子供あり)を対象に調査したところ、1位「給料があがらない」、2位「仕事がつまらない」、3位「今後の仕事の目標がない」となった。今回 は、どんづまりの原因として「仕事がつまらない」が2位だったことに注目したい。

 「今の仕事に満足していますか?」の質問に、「不満が多い」「どちらかといえば不満が多い」と答えた人は合わせて57%。

「出世コースから外れ、仕事への貪欲なモチベーションが薄れてきた。仕事内容も過去のルーティンで新鮮みがない」(40歳・製菓)

 と、“勝ち組”になれなかった停滞感が、苦悩を招いているようだ。

 しかし、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏は、そもそも従来の“勝ち組”を目指してもしょうがないと指摘する。

「勝ち組を目指すのに意味があったのは、日本経済が上向きだった昔の話。経済が停滞している今、私たちは下りエスカレーターに乗っている。かつてと同じ状態を目指して頑張っても疲れるだけです」

 では、せめて“引き分け”に持ち込む条件とは何なのか。

 仕事の不満で目立つのは、やはりお金の問題。「年収はいくらですか?」に対して、理想は600万〜1000万円以上が40.5%と多いが、現実のボリュームゾーンは400万〜600万円台にとどまる。「平日のランチにいくらかけますか?」、「一回の飲み代にいくらかけますか?」の回答からも、それぞれ500〜600円(ランチ)、3000円前後or行かない(飲み会)がトップと、悲しい懐事情が窺える。

 だが、心理学者の諸富祥彦氏の言い分はこうだ。

「アメリカの調査結果によると、所得の増加と幸福度の増加が比例するのは年収800万円まで。それ以上は、稼ぐほど幸福感が上がるとは限りません。年収600万円程度がもっともバランスの取れた“そこそこ”ラインでしょう」

 続いて、「会社での人間関係はうまくいっていますか?」に対しては、「悪い」「どちらかといえば悪い」が合わせて37%。ここでもやはり、ぎくしゃくする理由は出世競争の勝敗が決してしまったことが大きい。「役職に就いてますか?」では、せめて「課長」(19%)という理想も空しく、現実では「平社員」が40%を占める結果に。

 だが、“出世=幸せ”という考え方も見直したほうがいい。

「管理職になったが給料は上がらず、慣れないマネジメント業務が増えたせいで、自分の強みだった営業成績も下がってしまった」(43歳・不動産)

 と、プレイングマネジャーの壁にぶつかるケースも。

「出世できないということは、競争から降りて楽になれるということでもある。クビにならず定年までしがみつければ“引き分け”と思って働いていればいいんです」

 そう語るのは、男性学の専門家である田中俊之氏だ。

 藤川氏も、「これからは長寿化で、誰もが今までより長く働かなければならない時代。“太く短く”ではなく、そこそこの力で“細く長く”継続的に働ける人のほうが強い」と分析する。

 とはいえ、やりがいや目標もなく働き続けるのはしんどい。「仕事における目標はありますか?」には、63%が「ない」と回答。思い切って転職しようにも、「転職したいと思いますか?」には、「転職したいが年齢的にあきらめている」(47%)のが本音だ。