バス内のベビーカースペース巡り、怒りの母親だったが…(画像は『Metro 2017年10月11日付「Child ‘forced to stand on bus as last pram space was taken by cat in buggy’」(Picture: Mercury)』のスクリーンショット)

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このほどイギリスの市バス内でひと悶着があった。車椅子やベビーカー専用スペースに、バギーに乗せられた猫がスペースを占領していたことから子連れの母親が激怒し、SNSに投稿した。しかしある事実が発覚し、物議を醸している。『Metro』『The Sun』などが伝えた。

10月6日、英ウェスト・ヨークシャー州リーズ行きの市バスに乗っていたミア=ジェイド・ウィルソンさん(23歳、一部報道では26歳とも)は、ある光景を目にした。

バス停で子供をベビーカーに乗せた母親が乗車しようとしたところ、運転手は「スペースが埋まっているのでベビーカーを折りたたむか、別のバスを待ってくれ」と伝えた。その会話が聞こえたミアさんは自分の耳を疑った。

車椅子やベビーカー用のスペースには猫が入ったバギーが置かれ、その横にはミアさんの1歳の息子が乗ったベビーカーがあった。ミアさんはその時の思いをこのように述べている。

「最初、運転手は母親の乗車を拒否したんです。ベビーカーに乗った子供よりもバギーに入った猫が優先されるなんてバカバカしいと思いました。運転手に言われた母親はベビーカーの下にたくさん荷物を入れていたので、折りたたむのは容易ではなかったはずです。私は猫の飼い主の女性に、バギーを動かしてその母親のためにスペースを作ってあげたらどうかと伝え、そして運転手にもバギーに乗っているのは猫であることも言いました。でも運転手は取り合ってくれませんでした。どう見てもこの状況はおかしいと思います。猫を移動させるには他の交通手段だってあるでしょう!? 多くの人がそうしているように手持ちサイズの籠に猫を入れれば、自分の膝の上に乗せたり座席の下に置くことだってできますから。結局、母親はベビーカーを狭い場所に置かなければならず、子供は窮屈で泣いていたんですよ。」

ミアさんはこの光景を目撃した間、ちょうどおばと電話で話していたところだった。おばが「写真を撮ってSNSに投稿すればいい」とアドバイスし、ミアさんは言われた通りにした。するとこのニュースはたちまち拡散し、メディアに取り上げられたが、ひとりの女性がミアさんに真っ向から反論したのである。

10月13日付の『Metro』では、この猫の飼い主の親友であるリンゼイ・エリオットさんが、当日は飼い主(プライバシー保護のため名前は公表されていない)と猫のスクービーは獣医院からの帰りだったことを明かした。

「スクービーは13歳で肝臓に疾患があることがわかったんです。獣医院は親友の家から歩いて20分ほどかかるので、6kgもある大きい猫を運ぶにはバギーが一番適していました。しかも親友は複数の精神疾患を抱えています。彼女にとって公共の場に出るということはとても大変なんです。でも猫を病院に連れて行かなければならなかったから、あの日はバスに乗っていただけです。親友はミアさんが運転手に文句を言った時、私に電話してきました。だから状況の一部始終を知っています。親友は運転手に猫のバギーを移動させるとも申し出ました。でも運転手は『あなたが先に乗っているのだからそのままで構わない』と彼女に伝えたんです。それなのにミアさんは、親友に『あなたはこんな状態で猫をバスに乗せるべきじゃない』と非難したのです。」

現在は削除されているようだが、Facebookアカウント「Leedsface」ではベビーカーの後輪を座席に載せた写真が投稿されており、後から乗車した母親によるものと見られている。この写真が『Metro』にも掲載されると「座席の上に車輪を置くなんてどういう母親」という批判も寄せられたが、リンゼイさんはミアさんに「事情も知らないくせに、猫をバスに乗せるななどと言う権利はありません。ペットを飼ったことのない人には理解できないのでしょう。私の親友は、スクービーを家族のように思っていて、この猫以外誰もいないんです」と怒りを露わにしている。

このニュースを知った人々からは「猫に市民権なんてないだろ? 偉そうにするな」「そんな事情あるならバスに乗らずにタクシーで行けよ。俺なら怒るね」といった飼い主への批判の声もあがったが、「子供を連れている母親ってなんで自分に特権があるように思うんだろう」「先に乗っていた者勝ちだから、子供より猫優先は当然」「ここ、もともと車椅子優先のスペースなんだから、ミアって人は何か勘違いしてる」「運転手にそう言われたのなら、乗りたければやっぱり折りたたむしかないんじゃないの?」「猫がスペースを使ってはいけないのなら、バギーから出して混雑したバスで飼い主が膝に乗せればいいわけ!?」「猫だからバカバカしいとかそんなのおかしいわ」「事情を知って今頃、投稿者は恥ずかしい思いをしているだろうね」といった猫と飼い主を擁護する意見も相次いでいるようだ。

画像は『Metro 2017年10月11日付「Child ‘forced to stand on bus as last pram space was taken by cat in buggy’」(Picture: Mercury)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)