集団脱北した北朝鮮レストランの女性従業員ら

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看板娘の「美人ウェイトレス」たちが世界各地で外貨を稼ぎ、金正恩体制の延命に貢献してきた北朝鮮レストラン。新規出店を進める一方で、閉店を余儀なくされる店舗も続出している。

韓国の中央日報によると、北朝鮮の冷麺専門店、玉流館(オンリュグァン)は最近、アラブ首長国連邦の首都、アブダビのホテルに出店したという。料金は、4〜5人で個室を使った場合、カラオケ代まで含めて500ドル(約5万5000円)となかなか高額だ。

(参考記事:北朝鮮「美女カラオケ店」ぼったくりサービスの実態

同紙が引用した情報筋によると、ドバイの店の成績がよかったため、アブダビへの出店を決めたとしている。経営にあたるのは、北京でレストランの運営経験を持つ北朝鮮女性だという。

一方で、閉店も相次いでいる。

クアラルンプールのレストランは、2月の金正男氏殺害事件を巡りマレーシアと北朝鮮の関係が悪化したあおりを受け閉業し、従業員はすでに帰国したと現地の情報筋の話を引用し、聯合ニュースが報じた。

このレストラン、旅行情報サイト、トリップアドバイザーの読者評価では、5段階評価で上から2番目の”Very good”が最も多く、決して評判は悪くなかったようだ。

しかし、マレーシアと北朝鮮との関係が国交断絶寸前まで悪化したあおりを受け、閉店したと伝えられている。

また、北朝鮮当局と南アフリカ人が合弁で経営していたレストラン、プロパガンダは、南アフリカ政府が北朝鮮従業員に対するビザの発給を拒否したため、昨年末に閉店したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

同時に、北朝鮮レストランに対する締め付けも強化されている。

シンガポールのアジアワンは今年2月、インドネシアの首都、ジャカルタ東部のクラパ・ガディンにある北レス、平壌を巡る疑惑を報じた。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の偵察総局がこのレストランを拠点として、インドネシアを訪れる、本と韓国の政治家、外交官、ビジネスマンなどの同行を監視し、情報を収集しているというのだ。

これに対してインドネシア警察当局は、外務省と共同で調査に乗り出す方針を示しているという。