先月末に千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年生、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)が顔を殴られ首にひもで絞められた痕のある全裸遺体で見つかった事件は、遺体発見から16日で3週間を迎えた。死体遺棄容疑で逮捕された渋谷恭正容疑者(46)がリンさんの小学校の保護者会会長だったことや、見守り活動をしていたことが驚きをもって報じられたが、犯行自体にも計画性の有無などナゾが多い。

 14日に逮捕された渋谷容疑者の幼児への執着ともいえる性的嗜好が次々と明らかになってきた。幼女の裸が掲載された児童ポルノのコミック誌を愛読し、知人には「中学生以下しか興味がない」と“ロリコン宣言”していたことも一部で報じられた。

 邪心を持って見守り活動を続けていた中、リンさんを毒牙にかけたワケだが、その犯行形態には謎が多い。修了式の日を狙ったり、当日は見守り活動を休んだりと計画性があったと見える一方で、小学生とはいえ顔見知りのリンさんを誘拐して、解放すれば周囲にバレるのは当然だ。

 だが殺害までを視野に入れていたにしては、釣り人にすぐに見つかる場所に遺体を遺棄したり、所持品を複数の場所に散乱させたりとずさんさが目立つ。

 またリンさんが行方不明になった当日、同容疑者は軽自動車で自宅近くに止めてあったキャンピングカーにリンさんを連れ込んだとみられている。

 その後、昼には再び、軽自動車がランドセルや衣類が遺棄された茨城県坂東市の利根川河川敷付近の防犯カメラに写り、同日夜には遺体遺棄現場の我孫子市北新田付近の防犯カメラに写っていたことが分かっている。

 誘拐の実行日を修了式の朝に“設定”したのは、同容疑者にもリンさんと同年代の子供がおり、我が子が家にいては犯行のチャンスがなくなるためと考えられる。連れ去った直後の昼には、遺留品発見現場付近を通っていたとなると、既にその時点でリンさんは殺害されていた可能性が高い。子供の帰宅までにすべてを済ませていたとなれば、かなり手際のいい犯行にもなる。

 元神奈川県警刑事の小川泰平氏は「朝8時の通勤時間帯で人通りもある中で上手に連れ去っているから誘拐は計画していたのだろう。いたずら目的で車に乗せたが、途中で騒がれたりして偶発的に殺害してしまったのだろう」とみる。「手首に縛られた痕があったのは、軽自動車からキャンピングカーに移し変えるために拘束されたものでしょう」との見方を示した。

 殺害が当初から計画されたものでなかったのなら、キャンピングカーで何をしようとしたのか。キャンピングカーが止めてあった駐車場の近隣住民は「ずっと置きっぱなしで車が動いているのをほとんど見たことがないが、よく男が軽自動車で来て、中で何時間も作業していた。カーテンで中が見えないし気味悪かった」と証言。

 止めっぱなしのキャンピングカーは同容疑者のいわば“別宅”。誰にも邪魔されない空間にリンさんを連れ込み、監禁でも考えていたのか。おぞましい限りだ。