ホリエモン×ひろゆきがDAZNと比較して指摘する日本企業の問題点とは
Jリーグ放映の独占権を持つ「DAZN(ダ ・ゾーン)」がドコモと提携して話題となっている。
果たして日本でも普及するのだろうか? 『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編記事に続き、DAZNの可能性を論じる。
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ホリ ドコモと組んだことが大きいよね。ドコモユーザーだったら月額980円で利用できるらしいから普及に拍車がかかると思う。
ひろ 携帯電話キャリアって窓口で営業できるので、販売網としてはかなり強力ですよね。今、Huluとかネットフリックスがはやってますけど、それと違ってドコモの場合、契約させるときに「一緒にDAZNはどうですか?」「31日間無料なので」とか言えるのは強い。
ホリ それにスマホで視聴できる手軽さも強いと思う。これまでJリーグを放送してたのってスカパー!だけど、CSとかってアンテナが必要だったりするし、めんどくさい。
ひろ 若い人たちの間ではテレビを持っていない人も増えているみたいですからね。それに加えて、いまさら衛星放送のアンテナを買う20代が多くいるとは考えづらい。DAZNならスマホで見られますから、やっぱり有利。
ホリ あとは、アマゾンの「Fire TV」や「Apple TV」みたいなテレビにつなげるタイプのセットトップボックスがあれば大画面で見ることもできる。
ネットとかだと「日本の会社がやってほしかった」みたいなコメントがあったけど、この手のサービスって資金力次第なんだよね。
ひろ そうですね。なので現状では海外の会社が有利と。
ホリ あと、日本の会社はグローバルな視点がないからだと思う。メディア関連で日本の企業が世界規模で動いたのって、日本経済新聞社がイギリスの新聞社「フィナンシャル・タイムズ・グループ」を買収したくらいでしょ。
あとは広告代理店の電通がイギリスの広告大手「イージス・グループ」を買収したとか。
ひろ 日本の企業が大きな決断をできないのって、決定権を持つ50〜60代の人たちの影響が大きいと思います。この世代の人たちは、自分が無難に定年まで逃げ切れたらいいと思ってそうですし。
ホリ 逃げ切りたいってのもあるかもしれないけど、単にグローバルな視点がないだけと思う。あとは判断材料が乏しくて決断できないとか。
ひろ まあ、自分で何か起こすタイプは、そもそも大企業に就職しないでしょうし、実力による給料の差があんまりないので、自分でガツガツやるタイプの人は大企業ではあんまり得しないですよね。
「高学歴から大企業」という世間の評価で物事を決める人は、レールが敷かれてない場所に行ったり、前例のないことをやるのはめっちゃ恐怖だと思いますよ。
ホリ それで失敗しなかった人の最高峰が社長だったりするわけだから、ある意味で仕方ないか。でも、そんなことしてるとめちゃめちゃデカい失敗するんだけどね。
ひろ 渦中の東芝みたいなケースもありますしね……。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)