港区女子は、それ単体では存在し得ない。

彼女たちの影には、太陽と月の如く、欠かせない相手がいる。

ー港区女子を生み出しているのは一体誰なのか

その正体は、“ありあまる富”を持つ、港区おじさん。

彼らはいかにして港区女子と関係を持つに至り、どのようなライフスタイルを送り、そして、何を考えているのか。

ベールに包まれた港区おじさんの実態に迫っていく。

これまでに、港区おじさんの必需品・タンバリン男と呼ばれる春彦、40歳で港区へ返り咲き、結婚できぬ港区女子を生む正弘などを紹介した。今週は、いつも財布を持って港区女子会へ駆けつける修造に迫る。




【今週の港区おじさん】

名前:修造
年齢:42歳
職業:輸入車販売会社経営
好きな店:『虎峰』『ル・バー』『ブリッヂ』
好きなタイプ:強くて勝気な女性


財布を持たぬのが港区女子という生き物


貴方は、港区女子の財布を見たことがあるだろうか?

勿論財布を持っている港区女子はいるだろう。しかし男性が一緒にいる場で、その財布にお目にかかれるのは稀である。仮に財布を見れたとしても、見せかけではなく、実際に金銭がその財布から取り出されることは滅多にない。

(基本的に男性に払ってもらうのが当たり前である彼女たちに、仮に1円でも払わせようものならば、未来永劫LINEの返信は来なくなる。)

港区女子の資金調達能力の高さに関しては既に周知の通りだが、彼女たちは店での会計時にもその手腕をいかんなく発揮する。

港区女子には“おしょくじがかり”がいる。そしてその“おしょくじがかり”として人気を博しているのが修造だ。修造は、港区女子から呼ばれるといつでもどこでも財布を持って、文字通り飛んでくる。

基本的に人が良く、優しい修造はどこへ行っても人気者だ。修造の周りにはいつも人が集まり、笑顔が満ち溢れている。そんな修造は、必ず最後にこの言葉を残して去っていく、心優しき港区おじさんである。

「いいよ、ここは俺が払うから。」


お会計は修造担当...女子会でもお金を払わぬ港区女子の会計術とは?


女子会なのに財布を持たぬ港区女子のカラクリ


港区女子は、女子会でも財布を出さない。

女子会というのは、名の通り“女子のみの会”である。しかし、一通り女性同士の話が終わり、会計30分前になるといつもどこからか男性が湧いてくる。そんな時に呼ばれるのが、修造である。

「修造さん、今何されてますか?モデル仲間の女友達3人で、西麻布で飲んでいるのですが...一緒に、“ここのお店で”飲みませんか?」

人の良い修造は、すぐに駆けつけてくれる。大概二軒目へ移動するのだが、一軒目、つまり女性陣だけが楽しんだ飲食費も、最後の数十分だけ参加した修造が支払うことになる。

「甘やかしている自分が悪いのかもしれないけれど...お会計云々より、一緒に楽しい時間を過ごせることの方に価値があると思うから。」

港区女子は、このような計算だけは異常に早い。どのタイミングでどの男性を呼ぶべきか、どういう誘い文句で来てもらうか、その頭の回転の速さと小賢しさは尊敬に値する。




遠隔操作でも求めてくるのが港区女子


仮に修造が用事で来れなかったとしよう。それでも港区女子は、財布を極力出さずにその場を勝ち抜く術を身につけている。

安くしてくれる知人の店に行く、或いは男性の“つけ”で食事できる場所を練り歩くのだ。修造も、自分が行けぬ時には知人のお店を港区女子に紹介し、格安で提供するよう裏で計らう。

「友人がやっているお店に少しでも貢献できた方がいいでしょ?そこでみんなが楽しんでくれればWin-Winだし。」

知らない店より、自分の知人がやっている店へ行って欲しい。店にも貢献できる上、港区女子にもメリットがあると信じている修造の人の良さが、更に港区女子を甘やかす。

そして根本的に、港区女子は自分たちが一緒にご飯を食べて”あげている“と思っている。

男性は自分達と一緒に“いられる”のだから払って当たり前。微々たる感謝の気持ちを持ちつつも、当然の如く財布は出さない。

「でも、女性はそれでいいんじゃないかな?」

修造は人格者である。そんな修造が港区女子のおしょくじがかりを喜んで引き受ける背景には、港区の将来を考える、深い愛情が隠されていた。


脈々と受け継がれてきた伝統、修造が進んで支払う理由とは?


上下関係遵守。体育会系の血が流れる港区おじさん


寛大な心を持つ修造だが、港区女子に対して何も思わぬのだろうか?

「最近はその傾向が減ってしまったかもしれないけれど...昔は、必ずその場にいる一番上の人がご馳走してくれた。先輩が(年上が)、払うのは当たり前のこと。彼女たちが上の立場になった時に、下の人に還元してくれればいいんだ。」

若かりし頃、修造が駆け出しの時に助けてくれたのは先輩たちだった。ビジネスのイロハを教わったのも、そんな先輩たちとの酒の席だった。

昨今上下関係が希薄になってきていると言われているが、修造は脈々と受け継がれてきた“上が下を育てる”という考えを大切にしている。

「上からしてもらったことを、下の人にしているだけだよ。」

基本的に、港区おじさんは心が広く、人に対して支払ったことを決して自慢しない。何か恩返しを求めている訳でもない。奉仕精神がないと本物の港区おじさんにはなれないようだ...


そのお会計、高くても安くても関係ないんです


そんな“おしょくじかかり”を抱えることに慣れてしまった港区女子は、基本的に値段を知らない。店だけ異常に詳しいが、会計をしたことが滅多にないため、値段が分からないのだ。

「『虎峰』が好きでよく行くのだけれど。適度な量で次々と違う種類を楽しめる料理に舌鼓しながら、“前行ったあの店より美味しい”とか“最近、中華ならやっぱり『虎峰』さん”とか皆平然と言い放つんだよね。」




妙に鼻が効く港区女子は、体感として高級店か否かが判断できる。しかし一皿がどれほどの値段なのか分かっていない港区女子は非常に多い。

故に、値段に惑わされることなくその店を判断できる。舌だけは異常に肥えている港区女子が多い背景にも、会計を済ましてくれる港区おじさんの存在が大きく関連していた。

「ただの“おしょくじがかり”なのかな...でも呼んでくれるうちが花だからね。」

修造は、今日もお財布を持って港区を走り回っている。

▶︎NEXT:3月3日金曜更新予定
Uberにビットコイン...港区おじさんのIT化で窮地に立たされる港区女子

【これまでの港区おじさん】
vol.1:港区おじさんが編み出した「港区女子適性診断」。貴方はいくつ当てはまる?
vol.2:平均寿命は2年!港区おじさんが語る、“ヘビーローテーション”されぬ港区女子事情
vol.3:港区おじさんの必需品、今日も隣にいる“タンバリン男”とは?
vol.4:港区おじさん主催のホームパーティー。それは、港区女子が湧き出る泉だが、港区女子のためのものではない
vol.5:港区女子の謎の資金調達力を活かした支援を展開する、公認会計士港区おじさんの目論見
vol.6:不死鳥の如く40歳で港区に舞い戻る港区おじさんこそが、結婚できぬ港区女子を生み出す元凶