「腸内環境は人によって異なるため、どのヨーグルトに含まれる善玉菌が自分に合うかを探すのは大変」と大竹先生。食物繊維を含んだ食材を取り入れるほうが、便秘対策には近道のよう 画像提供/Syda Productions / PIXTA(ピクスタ)

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「便秘のときは食物繊維が必要」ということは、多くの人が知っている事実だと思います。だから、食物繊維のサプリメントを摂ったり、セロリやごぼうをたくさん食べたりしたものの…なぜか、まったく改善しない。そんな経験はありませんか? もしかして、便秘のときの食物繊維は、食べ方に工夫が必要なの? おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生、教えてください!

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「食物繊維が便通によい効果をもたらすのは本当ですが、実は食物繊維には2種類あり、摂り方のバランスを間違えると、かえって便秘を引き起こすことがあるのです。ひとつは水に溶ける『水溶性食物繊維』で、昆布やワカメ、もずくなどの海藻類やオクラや里芋などのネバネバ系食材、またはごぼう、柑橘類などに多く含まれます。もうひとつは水に溶けない『不溶性食物繊維』で、これは玄米や小麦ふすま、トウモロコシ、キャベツ、セロリ、さつまいも、豆類、こんにゃく、キノコ類などに含まれています。大切なポイントは、不溶性食物繊維ばかりを摂ってしまうと便の水分が奪われ、かえって便秘になりやすいということ! 『水溶性1:不溶性2』が理想的なバランスなのです」

便秘になったからといって、頑張ってセロリやごぼうを食べまくっても悪化することがあるとは、意外な落とし穴でした。とはいえ、水溶性と不溶性のバランスを自分で計算するのは大変そう…。

「食材自体が『水溶性1:不溶性2』のバランスで食物繊維を含んでいるものを選ぶと、献立も決めやすいでしょう。たとえば、サニーレタスやエシャロット(生らっきょう)、アボカド、納豆、オクラ、キウイ、バナナ、ライ麦パンは、食物繊維量が豊富で、かつ水溶性と不溶性のバランスがよい食材です。サニーレタスにワカメやオクラ、アボカドを入れたサラダを作ってみると、便秘対策になるでしょう」

一方、便秘気味な人が避けたほうがよい食品もあるそうです。

「最近、糖質制限ダイエットの影響や、代謝アップの目的で肉食を勧める傾向がありますが、牛肉や羊肉などの肉は腸内の悪玉菌を増やす性質があります。便秘傾向の方が主菜を選ぶときは、肉類ならば鶏肉、または魚を中心にしたほうがよいでしょう。とくに魚は、腸内環境によい効果をもたらすEPAやDHAなどオメガ3系の油を含んでいます。種類は問わず、焼き魚なら一切れ程度。マグロの刺身なら4切れ、トロの刺身なら1切れ程度でも十分です」

ただし「だからといって、同じ食材ばかり食べ続けても意味はありません」と大竹先生。

「とくに女性は筋力が弱く、腹筋などの腸を動かす筋肉の力が弱いので、よく歩くこと! 階段を見つけたらエスカレーターに乗らず『腸を動かすチャンス』と考え、ぜひ徒歩で上り下りしてください。ランニングや筋トレも効果的ですが、あまりに激しい運動は腸の動きを止めてしまうこともあるので、トレーニング方法には注意が必要です。また、朝は排便しやすいタイミング。眠っている間に腸は動いていて、便が溜まっている状態。そこへ朝ごはんを食べると胃が下がり、その刺激で腸が動き出します。便秘の方は朝食後、トイレに行く習慣をつけましょう。出ても出なくても、2分頑張ってみることをオススメします」

なお、女性に多いのが「ダイエット中で食べている量が少ないから、数日出なくても仕方ない」という思い込み。

「食事量が少ないと胃が腸へ刺激を与える機会が減るため、腸の動きが悪くなって便秘になりやすいのは事実。でも、食べている量と便の量は関係ありません。食べたもののうち、消化されなかった一部が便になりますが、それ以外にもはがれ落ちた小腸の壁や腸内の善玉菌・悪玉菌などの死骸なども、便のもととなります。そのため、仮にまったく食事をしていなくても、それなりに便は出るものですよ」

大竹先生によると「3日以上、出ない人はまず便秘だと思ってください。毎日出る人や一日に何度も出る人でも、お腹が張っていたり、残便感があったり、お腹に痛みや違和感があったりするようであれば、便秘の疑いがある」そう。隠れ便秘にならないよう、水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含んだ食材やお魚を食べつつ、よく歩く生活を心がけてみませんか?

(富永明子)

(R25編集部)

※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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