難病の小学生の作文に全中国が泣いた(写真:アフロ)

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 人を想う気持ちにこそ人は心を動かされるのかもしれない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

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「大きくなったら、私は絶対にお祖母さん孝行して苦労をさせません」

 中国でいま“もっとも悲しい作文”と呼ばれる小学生の作文が話題になっている。『中国新聞網』が10月10日付で記事にした。きっかけは四川省の小学校に通う生徒の書いた作文を、教師が思い余ってネット上に上げてしまったことだという。

 作文を書いた佳佳ちゃん(9歳・仮名)は現在、56歳のお祖母さんと暮らしている。父親が傷害で逮捕され、母親が育児を放棄して出て行ってしまってから祖母に引き取られた。

 佳佳ちゃんはいま再生不良性貧血という重い病気を抱えているが、それが発覚したのが1歳の時だった。当時から佳佳ちゃんはずっと、40日毎に100ミリリットルの輸血を続けているのだが、育ての親である祖父母はともに高齢のために自らの血を与えることはできず、毎回輸血のために1000元(約1万5500円)の費用がかかっているという。

 佳佳ちゃんはいま祖父母にそれほど収入がないことを知っている。祖母たちが金策に走り回っているのに心を痛めていて、作文の最後にこう綴っている。

〈私の病気はお祖母さんにたくさんの負担をかけている。お祖母さんは何の見返りもないのに、恨み言もなく私のためにがんばってくれています。その姿を見ていると、私は時々自分の病気を本当に憎くなります。本当に早く病気がよくなってお祖母さんを楽にしてあげたい。そして楽しい老後を過ごしてほしい〉

 作文が紹介されてからの10日間で、3万元(約46万5000円)を超える寄付が寄せられたという。