ただ、猶予は決して長くはない、という。
 
「次のオーストラリア戦は日本のワールドカップ出場の可能性を冷静にチェックできる機会でしょう。オーストラリアはサウジに勝てなかったが、どの国も苦しむ中東遠征で2得点する競争力の高さを示した」
 
 とし、さらに続けた。
「長身FWのジュリッチがイラク戦に続きサウジ戦でも得点しているが、日本のDF陣が彼を抑えることが試合のポイントになるのではないか。オーストラリアは日本にはない高さとパワーを持ったチーム。韓国がイランとの対決を乗り越えねばならないように、日本もオーストラリアを超えてこそロシアが見えてくるはずだ」
 
 韓国では、「日本、イラクに勝っても絶えない監督交代論」(『金剛日報』)、「風前の灯、日本サッカー代表、後任監督は内定?」(『SBSスポーツ』)など、日本メディアが報じるハリルホジッチ監督の去就にも注目が集まっている。オーストラリア戦の結果が、その行方を左右する可能性もあるだけに、韓国もサムライ・ブルーの戦いを注視しそうだ。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)
 
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。