ディズニシーから「定番」が消える(画像は15年11月編集部撮影)

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「15年間本当にありがとう」「二度と乗れないと思うと本当に悲しい」――。東京ディズニーシー(TDS)の人気アトラクション「ストームライダー」が2016年5月16日で運営終了を迎え、ファンから別れを惜しむ声が続々と上がっている。

これまで15年近くもファンに愛され続けてきた同アトラクションの「千秋楽」とあって、当日のTDSには別れを惜しむ人々が数多く詰めかけた。現地を訪れたツイッターユーザーの報告によると、平日にも関わらず、一時「3時間40分待ち」になったという。

整理券配布「7分」で終わる

TDSのポートディスカバリーエリアにあるストームライダーは、映像の動きに合わせて座席が動くシミュレーター型のアトラクションだ。01年にTDSが開園した当初から存在する施設の1つで、ファンの間では「定番アトラクション」として親しまれてきた。

参加者は、接近した大型台風を消し去るため、台風を消滅させる装置を搭載した航空機に搭乗。嵐の中をフライトし、台風の中心を目指すといった設定だ。水やスモークなど臨場感を高める演出が効果的に使われていることや、操縦士の個性豊かなトークなどが人気を集めていた。

そんな同アトラクションが16年5月16日で運行終了を迎えたことを受け、ネット上には別れを惜しむ声が相次いだ。ツイッターやネット掲示板などには、

「ストームライダー15年間ありがとう。 ずっと忘れることはありません。本当にありがとうございました」
「二度と乗れないと思うと本当に悲しいけど... またいつか、会えると願ってます。ありがとう!!」

などと、ファンの思いが詰まったコメントが数多く寄せられた。ツイッターでは、16日朝に一時「ストームライダー」がトレンド入りするほどの話題を集めた。

実際に現地を訪れたユーザーによれば、平日にも関わらずストームライダーは一時「220分待ち」の状態に。1度の入場者数が多く回転率の高い同アトラクションにとって、これだけの待ち時間は「異例」の現象といえる。また、最終公演の整理券配布は開園からたった7分で終了した、との報告も出た。

アトラクション終了に「反対署名運動」も

アトラクション終了の理由について、TDSを運営するオリエンタルランド広報部は5月16日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「当社では『パークは永遠に完成しない』というディズニーテーマパークのフィロソフィ(哲学)に基づき順次さまざまな施設の導入、改廃を行い、パークの魅力を高めており、今回もその一環で『ストームライダー』の終了を決めました」

と説明。17年春からは、ストームライダーに変わり、映画「ファインディング・ニモ」シリーズの世界を舞台にした新アトラクションがオープン予定だという。

だが、ストームライダーの終了と新アトラクションの導入が発表された15年5月には、一部の熱心なファンの間で反対運動も起きていた。オンライン署名サイト「change.org」には、ストームライダー終了に反対する1000件以上の署名が集まり、発起人がオリエンタルランドに抗議文を送付していた。

ファンの間でこのような動きが出ていたことについて、同社広報部は「承知しています」と回答。その上で、「ゲストのみなさまのご意見やご要望を参考にしながら、今後も魅力あるパーク作りを行ってまいりたいと考えています」と続けた。

最終日に合わせた特別な演出は「ありません」というが、実際に最終日に搭乗したユーザーからは、

「キャストさんの『ストームライダーはみなさんの永遠の思い出になります。ありがとうございました』って言葉で泣きました」

と、スタッフの「粋な計らい」を受けたとの報告もツイッターに寄せられている。