【お金】1位と最下位の差は約3倍! 「東京23区」の所得水準格差

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今冬の賞与・一時金、いわゆるボーナスについて経団連が集計したところ、大手企業では昨年実績比で3.13%増とのこと(1次集計)。金額は91万697円となり、調査開始以来の最高額となりました。筆者としてはあまりに無縁な話題ですので実感なし。何かおこぼれがないかなと願うばかりです。

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きっとボーナスが増えると年収も上がることでしょうから、余裕をもって年間の支出計画を立てることができますね。羨ましいです。今回は、そんな平均年収と地域との関係についてご紹介したいと思います。参考にしたのは書籍『23区格差』です。

皆さん、日本の平均所得をご存じでしょうか。

全国の平均額は321万円。しかし、これは地域によってかなりばらつきがあります。仕事と人が集まる町・東京23区は所得水準の平均額がグッとあがり429万円となっています。これは全国で飛び抜けている数字となっており、2位の神奈川県の367万円と、その差は約16%。オリンピックも決まり、今後ますます東京23区には仕事と人が集まり、所得水準は上がるのではないでしょうか。

ここでもう少し詳しく所得をみていきます。全国1742市区町村のトップ10はどのようなラインナップになっているでしょうか。

1位:東京都港区→903.7万円
2位:東京都千代田区→762.9万円
3位:東京都渋谷区→683.6万円

上位3つは東京都が独占。というか、港区ってすごいですね。最高額ではなくて平均額が903.7万円ですか……。

4位:兵庫県芦屋市→567.1万円

ここでようやく東京都以外がランクイン。関西の高級住宅街、芦屋市が4位となりました。

5位:東京都中央区→546.8万円
6位:東京都文京区→545.6万円
7位:東京都目黒区→526.7万円
8位:東京都世田谷区→502.5万円
9位:東京都武蔵野市→479.5万円
10位:東京都新宿区→475.3万円

※納税義務者1人あたり課税対象所得額。『統計でみる市区町村のすがた』(総務省)

なんと、4位の芦屋市と9位の武蔵野市がランクインした以外は、東京23区がトップ10を独占するかたちとなっています。いかに23区内に仕事が多く、皆さんが稼いでいるかがわかる結果となりました。

しかし、そんな東京23区の全てが驚きの所得なのかと言えばそうではなく、この中でも差があります。
気になる東京23区内での順位はどうなっているのでしょう。

上位8つは前述の通りですが、所得水準が低い区8つを見てみると、16位が台東区の378万円、17位が板橋区の352万円、18位が墨田区349万円、19位が江戸川区の347万円、20位が荒川区の343万円、21位が北区の342万円、22位が葛飾区の330万円、23位が足立区の323万円となっています。

東京23区内でみると、最下位の足立区は首位の港区と約3倍の差があり、3位の渋谷区と比較しても約2倍の差があることがわかります。しかし、そんな足立区も町村をのぞいた全国812市区のなかでは157位に位置していて、大阪市の192位や札幌市の285位よりも上位にあるのです。おそるべし東京23区の底力。

その他の区の所得水準も紹介しておきましょう。杉並区は445万円で9位、品川区は426万円で10位、豊島区は409万円で11位、練馬区と大田区は395万円で12位、江東区は389万円で14位、中野区が384万円で15位となっています。あなたの住む地域は何位でしたか?

なんとなく知っていた東京23区の所得水準。こうやってあらためて数字で見ると、本当に高いんだぁと実感。オリンピック開催などで、今後は江東区なども順位を上げるのでしょうか、気になるところではあります。

所得水準の高い地域に住んでいると、肥満率が低かったり、勉強のできる子どもが多く育ったりするといった調査結果も出ていたりします。皆さんならどの地域に引っ越しますか? 関西出身の筆者は、東京なんて……と思いつつも、その所得水準に圧倒されているのが正直なところです。

<参考書籍>
『23区格差』池田利通(中央公論新社)