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近ごろ話題の「相席居酒屋」に行ってみたが、相席になった女性がスマホをいじっているばかりで無視された――。そんな男性の体験談が、ネット上の掲示板に寄せられた。

相席居酒屋は、見知らぬ男女同士を相席させ、出会いの場を提供する新しいスタイルの居酒屋だ。合コンや街コンと違って、あらかじめ日程を決めなくてもいい気軽さで、人気を博している。料金形態は、男性が飲食代を支払い、女性はタダというところが多い。

投稿者(20代後半)によると、友人と相席居酒屋にいったところ、20代半ばの女性2人組と相席になった。全員ビールで乾杯し、自己紹介をするなど、最初は多少コミュニケーションがとれていた。ところが、料理が来るころになると、女性2人はスマホの操作に没頭。「俺たちが話かけても完全無視w」だったそうだ。飲食目当ての常連だったようだ。

さすがにおかしいと思って、店員に席替えを頼んだが、「席替えはしていない」と断られた。時間制だったので、すぐに店を出るのは代金の無駄になる。仕方なく、残り時間はスマホをいじる女性を前に、ひたすら酒を飲んで店を出てきたそうだ。「いい社会勉強になりました」と振り返っていた。

男性からすると、出会いが目的で入店したのに、自分たちのことを完全に無視する女性たちと相席になってしまっては、わざわざ「相席居酒屋」に来た意味がないといえる。こうしたケースで、店側に返金を求めることはできないだろうか。消費者問題にくわしい岡田崇弁護士に聞いた。

●男女のコミュニケーションまで約束しているわけではない

「結論としては、返金を求めることはできないと考えます」

岡田弁護士は明快にこう述べる。なぜだろうか。

「たとえば、『キャバクラ』などの風俗店であれば、隣の席についた女性が、男性を一切無視することはあり得ないでしょう。

それは、キャバクラで店側が客に提供するサービスとして、会話を含めた『接客サービス』が含まれているからです。

キャバクラ嬢が男性を無視するなどの対応をすれば、他のキャバクラ嬢に代えてもらうこともできるでしょうし、店側が拒否をすれば、債務不履行として代金の一部の支払拒否といったこともありうるでしょう」

相席居酒屋は違うのだろうか。

「相席居酒屋は、もともと飲食店にすぎません。

相席居酒屋の義務は、男女を同席させ、飲食を提供することで尽くされています。男女のコミュニケーションまで約束しているわけではありません。同席した女性に無視されたとしても、それは店側の落ち度ではないということです。

返金を求めることはできないでしょう。

ただ、男性としては、自分たちのことを完全に無視する女性と相席をしても意味がないといえます。

相席居酒屋としても、このような女性が増えてくれば、店の評判が落ちることになるのですから、何らかの対策を取ることが望ましいのではないでしょうか」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
岡田 崇(おかだ・たかし)弁護士
大阪弁護士会・消費者保護委員会委員(平成18年・19年度副委員長)、日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会副委員長

事務所名:岡田崇法律事務所
事務所URL:http://www.okadalaw.jp