右肘の故障で開幕に間に合わなかったオリックスの金子千尋©BASEBALLKING

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 昨季、プロ野球を盛り上げた阪神とオリックスの関西2球団が今ひとつ波に乗れていない。

 阪神は京セラドームでの中日との開幕カードに3連勝。球団創設80周年を迎えた今季、最高のスタートを切った。だが続くヤクルトとの3連戦に負け越すと、3カード連続負け越し。

 4日の巨人戦から6連敗で11日終了時点で、広島と並び最下位に沈んだ。12日の広島戦も2回に2点を先制しながら中盤にリードを許す展開だったが、8回裏に鳥谷敬の2ランで逆転に成功し勝利。連敗を6でストップさせ、単独最下位を回避した。

 状態が上がらない原因に打線の不振もあるが、先発投手陣の不調も挙げられる。昨季チームの躍進を支えた先発4本柱のメッセンジャー、能見篤史、藤浪晋太郎、岩田稔の出来が今ひとつ。特に能見は2試合に先発したが、2試合とも5回でマウンドを降りている。今季のセ・リーグは混戦が予想されるだけに、上位進出するためにも先発投手陣の復調が求められる。

 一方、19年ぶりのリーグ優勝に向けて中島裕之、小谷野栄一、バリントン、ブランコなど大型補強に成功させたオリックスは、阪神以上に苦しんでいる。12日の楽天戦でサヨナラ負けを喫し、早くも借金が二桁10に到達。開幕前には予想できなかったほどに負けが込んでいる。

 開幕から故障者が相次いでいるのはかなり痛い。投手ではエースの金子千尋、守護神の平野佳寿とチームを支える2人を欠き、昨季リリーフで抜群の安定感を誇った比嘉幹貴、岸田護も故障で戦列から離れている状況。野手も新加入のブランコが負傷していた左膝の炎症が悪化したため、1日に登録抹消。『エース』、『守護神』、『4番』を欠く非常事態に陥っている。

 一軍でプレーするメンバーも今季からキャプテンに就任した糸井嘉男、セットアッパーの佐藤達也、馬原孝浩などが不調。負のスパイラルから抜け出すためにも、何かきっかけを掴みたい。

 混戦が予想されるセ・リーグの阪神は、再び上位にいく可能性は高いが、オリックスは主力が復帰するまで厳しい戦いが続きそうだ。関西の2球団は今年もリーグを盛り上げることができるのだろうか。