過去の深海探索でも数回しか遭遇できていないという非常に珍しい深海魚をムービー撮影することに、モントレーベイ水族館研究所(MBARI)の研究者が成功しました。今回撮影に成功したのは「ブラックシーデビル」と呼ばれる深海魚で、その名の通りこの世の生物とは思えない形相をしており、是非とも海では遭遇したくない魚になっています。

The anglerfish: The original approach to deep-sea fishing - YouTube

深海に向けられたカメラが遠く「ブラックシーデビル」を捉えたところからムービーはスタート。



徐々に近寄っていきます。



海には白い粒のようなものが漂っており、ブラックシーデビルは宇宙をさまよっているかのよう。



これがブラックシーデビル。黒っぽい体と非常に凶悪そうな口が特徴的。



右側面から見るとこう。あご骨が異常にとがっており、人間で言うところの「エラが張っている」ような見た目です。



逆から見るとこう。大きく凶悪な牙のついた口が開きっぱなし。



頭の上にはキラリと光るチョウチン。このチョウチンから分かる通り、このブラックシーデビルはクロアンコウ属の黒色チョウチンアンコウと呼ばれる魚です。このチョウチンアンコウが見つかったのはモンテレーベイの深海580メートル。



深海に住むアンコウは非常に臆病なので撮影は非常に困難だそうで、これまで自然に生息しているアンコウの様子を捉えたムービーは数えるほどしか存在しないそうです。なお、黒色チョウチンアンコウが深海を泳いでいる様子を発見したのは今回が初めてとのこと。



遭遇すれば腰を抜かしてしまいそうなくらいに恐ろしい形相をしていますが、ムービーのチョウチンアンコウの体長はわずか9cm。



そしてこの個体は実はメスです。



ムービーが撮影されたのは2014年11月17日のことで、MBARIの研究員であるBruce Robison氏が撮影しました。



下から見るとこんな感じで、腹びれや尻びれはないようです。



遠目でみるとこう。



近くでみるとやっぱりコワイ。



頭の先っぽで光る「チョウチン」は非常に魅力的。



ファインディング・ニモに登場するチョウチンアンコウよりも恐ろしい見た目です。