中国メディアの長江日報は16日、中国の2014年1−9月における自動車生産台数および販売台数がともに1700万台を突破し、5年連続で世界一の自動車市場になる見通しと伝える一方、「中国自動車メーカーの生産台数および販売台数は13年9月から14年8月まで12カ月連続で減少した」と指摘した。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 中国メディアの長江日報は16日、中国の2014年1-9月における自動車生産台数および販売台数がともに1700万台を突破し、5年連続で世界一の自動車市場になる見通しと伝える一方、「中国自動車メーカーの生産台数および販売台数は13年9月から14年8月まで12カ月連続で減少した」と指摘した。

 記事は、中国高速鉄道が現時点で海外への輸出に成功していることを取り上げ、「自動車産業にとって“交通運輸”という点で同業とも言える高速鉄道が中国の輸出品として大きな成功を収めているのに、なぜわが国の自動車は成功できないのか」と疑問を呈した。

 続けて、北京大学政府管理学院の路風教授の話を引用し、「高速鉄道も自動車産業もともに海外から技術を導入した点は共通しているが、経営方針が大きく異なっている」とし、中国自動車産業は海外メーカーとの「合弁」による経営から、独自技術の開発などを積極的に行わなかったと紹介。

 一方の高速鉄道については、「当初は海外から技術を導入したが、その後は自主開発に舵を切った」とし、技術導入によって開発能力が失われなかったことが自動車産業との大きな違いであり、導入した技術はあくまでも自主開発に向けた「基礎」に留めたことが重要だったとの見方を示した。

 さらに中国の高速鉄道事業の関係者の話として「高速鉄道として後進国だった中国は海外の経験を学んだが、国外とは国情や環境が違うため多くの自主開発が求められた」と指摘。中国では気候条件が大きく異なる北方と南方を結ぶ高速鉄道では、気候の差に適応するための技術が必要だったと紹介した。

 一方で記事は、中国の自動車メーカーは外国メーカーと「合弁」という利益共同体を構築したことで、外国メーカーの「ブランド」によって苦労なく利益を得られる環境にあると指摘。さらに、外国メーカーの技術に頼る一方で、中国の自動車メーカーには技術を自主開発する能力がないことが現在の苦境をもたらしたと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)