カフェテリア入り口、ランチ時は長蛇の列。学生証をスキャンして入場

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米国の9月は新入学シーズン。新学年で新担任やクラスメート、それぞれが緊張と期待で始まる。特に大学生となると親元から離れて寮生活をスタートすることになり、ルームメイトとの相性や勉学の不安などで大きな心配も増えるようだ。

それでも寮に入ったならば、食事の心配がないのは嬉しいはず。一日三食、しっかり食べることが出来る。寮代にプラスでミールプランとして加算されるので、親にとっては厳しい選択になるかもしれないが。
今回はシカゴ近郊にあるノースウエスタン大学の学食の様子に迫ってみた。

今では日本の大学でも取り入れられているらしいミールプランだが、学期初期に一気にプリペイド式に支払ってしまうシステムで、学生証にアカウントが設定され、そこから毎食ごとに引かれていく。プリペイド式だと一食ごとに支払うよりは割安になるようだ。

ただ、日本のように「A定食」とか「かつカレー」(もちろん米国なのでこれらのメニューはない)などこちらから指定することはできない。今日は節約しなくちゃならないから「バタートースト」だけなんて事も不可能。
というのは、多くの場合「ビュッフェスタイル」が採用されており、ちょっと食べようがたくさん食べようが同じ値段の食べ放題バイキング(ドリンクバー込み)になっているからだ。
スターターとしてのサラダバーから締めとしてのデザートスイーツバーまで、カウンターを埋め尽くす。

アメリカでよく言われる「フレッシュマン15」(新入学生は最初の一年で15ポンド/約7キロ太る)は、こんなところから生まれた皮肉……というか実情があるのだろう。
食費を無駄にしたくない、と食べ過ぎてしまう。または親の監視もなく食べたいものを好きなだけ、ということもあるのかもしれない。

大学キャンパス内には多数の寮があるが、その寮ごとにカフェテリアがありそれぞれメニューが違うことも。朝昼夜と時間を問わずオープンしていたり友人と待ち合わせに使ったり、一種の社交場にもなっている。

健康や宗教的に食事制限のある学生にとってもありがたい。食べ物には「ベジタリアン」や「ベーガン」の表示がされているものもある。グルテンフリーダイエット者向けのコーナーの用意もある。

特に興味深いのは「コーシャー(Kosher)」のコーナーだ。これはユダヤ教で定める食べ物の規定のことで、コーシャー用のカウンターがあって、ラバイ(ラビ)が常時滞在している。コーシャー用のキッチンがあり、食器やフォークやナイフ、スプーンまでもが他の食品が触れる事がないよう紙皿やプラスティック使用で念入りに管理されている。コーシャーカウンターがある学食は珍しいかもしれない。

今回レポートしたノースウエスタン大学の学食は、毎年行われるベストカレッジフードで、全米大学内の第5位にランクされている。
在学生以外の一般でも学食は利用でき、朝食$7、昼食$8、夕食$9、と食べ放題でこの値段。
毎日、毎食これでは経済的負担になるだろう、ということでミールプランなのだろうが、バナナ一本掴んで出て行く学生、ベーグル一つを口に加えて出て行く人を見ると、もっと食べて〜とおせっかいしてしまいそう。バナナ一本に$7払っているって知っているのだろうか? かといって7キロ太ってしまうのも、どうかとは思うが……。
(シカゴ/あらた)