青森のご当地ソフト「ほたてソフトクリーム」

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先日、青森に遊びに行ったとき、ちょっとユニークなご当地ソフトクリームを見つけた。青森県観光物産館アスパムのJF青森漁連アスパム直販店で売られている、その名も「ほたてソフトクリーム」だ。

最近はソフトクリームの味もいろいろあり、変わり種フレーバーも珍しくないが、さすがにほたて味は初めて見た。ポップにも「全国初」と大きく書かれている。

購入の際、「やわらかめだから、早めに食べてね」とお店の人にいわれ、早速ひと口食べてみると、上品な生乳の旨味が口いっぱいに広がり、後味には塩味がしっかり。しょっぱいというより、ほのかに甘じょっぱい感じ。ほたての味がするか? と聞かれると、そこは正直なところよくわからなかったが、甘味と塩味のバランスが絶妙で実においしい。

同店を運営するJF青森漁連の方に話を聞いてみると、ほたてソフトクリームはすでに10年以上前から提供している商品なのだそう。

ほたてというと北海道のイメージが強いかもしれないが、実は青森のむつ湾にも昔からほたて貝が生息しており、今では養殖ほたての名産地。なかでも青森県平内町は現在のほたての安定生産を確立した養殖技術発祥の地でもある。養殖といっても、人が餌をあたえているわけではなく、貝を海中に吊るすだけで、植物性プランクトンなどを食べて育ったものだ。

そんなわけで同店には、ほたてソフトクリーの他にも、ほたてカレー、ほたてラーメン、ほたて醤油、ほたてふりかけ、ほたてかまぼこ……など、ほたてを使った商品が勢ぞろいしていた。

ほたてソフトクリームは、生乳にほたてエキスを加えたもの。干し貝柱を作る際、2回目のボイル時に出る付加産物であるほたてエキスを有効利用したものだという。ちなみに干し貝柱は濃度10パーセントの塩水で煮るため、出てくるエキスも塩気が強いものになる。ほたてエキスは、味噌汁の出汁など業務用の商品にも使われているが、その場合は、この塩気がじゃまになり、味の調整が必要。だが、ソフトクリームの場合は、むしろこの塩気が味の引き立て役になり、そのまま使えるのがメリットだという。さらに、ほたて自体の甘味によって味に奥行きも生まれている。

同店で売られているソフトクリームは、バニラ味、ほたて味、ミックスの3種。各300円でカップかコーンが選べる。やはり一番人気は、ほたて味とのこと。ちなみにバニラ味とほたて味はどちらも白く、見た目は同じ。当然、ミックスも見た目にはわからない。なお、ほたてクリームは同店舗以外にも、青森県平内町にある「ほたて広場」でも食べられるそうだ。

味噌カレー牛乳ラーメンなどユニークなご当地グルメが多い青森。訪れた際は、ぜひこのご当地ソフトも合わせてチェックしてほしい。
(古屋江美子)