夏の甲子園大会で、2年ぶり4度目の全国制覇を果たした大阪桐蔭。2000年以降の甲子園大会の成績は34勝8敗、勝率.810。さらに夏の全国制覇は最近10年で3度と、他校を寄せ付けない強さを誇る。また、甲子園を席巻した選手たちが続々とプロの門をくぐり、現在は横浜の15人に次ぐ13人がプロの世界で活躍している。

 プロへと巣立ったOBの特徴として、中村剛也選手(現西武・高校通算83本)、平田良介選手(現中日・高校通算70本)、中田翔選手(現日本ハム・高校通算87本)、浅村栄斗選手(現西武・高校通算22本)など、スラッガータイプの選手が多い。彼らの凄いところは、高校から直接プロ入りし、多少のモデルチェンジがありながらも、高校時代のイメージそのままに長打が打てる点だ。

 高校通算83本塁打の中村は、2年目の2003年にイースタンリーグの本塁打王に輝くと、一軍でも08年、09年、11年、12年と4度の本塁打王を獲得。特に11年は、統一球導入で長距離打者がこぞって本塁打を減少させるなか48本塁打を放ち、2位に23本差をつけてタイトルを勝ち取った。いま現在、日本屈指の長距離打者として真っ先に名前が挙がる選手だ。

 高校通算87本塁打の中田も、中村同様に入団2年目にイースタンリーグの本塁打王となり、4年目から一軍に定着。6年目の13年には自己最多の28本塁打を放ち、今季は日本ハムでは高卒3番目のスピードで、通算100号本塁打に到達した。

 さらに、中田より6歳若いルーキー森友哉選手(現西武)は、彼らを上回る早い速度で成長曲線を描きそうな勢い。森は中村、中田が1年目で成し遂げられなかった一軍での本塁打をプロ2打席目で記録。1本塁打だけにとどまらず、高卒新人では1968年に中日の江島巧が記録して以来、46年ぶりとなる3試合連続本塁打を放つなど、ポテンシャルの高さを見せている。

 ここ数年で多くの長距離砲を輩出している大阪桐蔭。同じパ・リーグに所属する、中村、中田、森らが本塁打王を争う日も、そう遠くはないだろう。今後は高校野球だけでなくプロ野球界も、大阪桐蔭が牽引していく時代になりそうだ。