カリフォルニア州知事立候補者が一週間ホームレスを体験―で、どうなったの?

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アメリカのカリフォルニア州で、州知事選に立候補しているニール・カシュカリ氏が、景気がよくなってきているというアメリカ経済の実態を探るため、一週間ホームレスとして生活しました。仕事は見つからず、寝る場所や食べ物にも困ったようです。

41才のカシュカリ氏が体験したのは、バックパックを背負い、昼間は仕事探し、夜はベンチで野宿、所持金を数えて食事の心配をする生活でした。親切な人もいましたが、それ以外は失業と貧困の暗い世界です。

彼はもともとゴールドマン・サックスで働いていた銀行家で、大金持ちですが、ホームレス生活をするにあたっては、クレジットカードを持たず、自力で仕事を探してみました。
お店でもレストランでも皿洗いや掃除の仕事すら見つからず、警察や警備員に野宿しているところを移動するように言われる毎日。これをドキュメンタリータッチで10分間のビデオに残しました。

ビデオの最後に、カシュカリ氏は「この一週間は今までの人生で最も苦しかった」と語っています。彼はカリフォルニア州の貧困を、州政府の過剰な介入による人災だと考えています。

選挙戦では現職のジェリー・ブラウン氏が優勢ですが、カシュカリ氏はこのホームレス体験で上手に注目を集めたよう。

彼は「求人の広告なんて全く見かけなかった。本当に必要なのは、食事の配給でも失業保険の給付でもなく、仕事だ。」と話しています。

このビデオ作成にあたっては、カメラマンとして少なくとも1人は一週間の間、カシュカリ氏に付き添っていたことになり、やらせではないかとの疑いもあります。

しかし、お金持ちの彼が貧困にあえぐホームレスの生活を垣間見たとすれば、政治家としてはかけがえのない経験となったでしょう。

The homeless governor: California candidate spends a week in poverty
http://www.theguardian.com/world/2014/jul/31/homeless-governor-california-candidate-neel-kashkari