夢中になって本を読むと、あなたの脳に驚きの変化が!―米研究

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面白い本を読んでいるときって、情景が鮮明にイメージできますよね。そのとき脳は、その状況を実体験しているかのように活動しています。そして、実体験した記憶が5日間以上残るのだそうです。

小説を読んで衝撃を受けたり、深く感動すると、本の中のシーンが何日も記憶に残っていることがあります。でも、よく考えてみると、本自体は文字の羅列にすぎません。一体、本の内容は、私たちの脳にどのように影響しているのでしょうか?

米エモリ―大学の研究チームは、ロバート・ハリス『ポンペイ』(2003年)とMRIを使って調査を行いました。被験者には、本を読んだ直後から5日間以上、MRIの脳スキャンをとらせてもらいました。

この結果、脳の2つの場所で神経細胞のつながりが活性化していることが分かりました。

1つは左脳。言語や論理的思考をつかさどる領域なので、本を読んで活性化しているのは当然のことと言えるでしょう。

もう1つは、感覚と運動に関連する、脳の「中心溝」と呼ばれる部分。この部分は「grounded cognition(身体化された認知)」と呼ばれる働きをします。例えば、誰かが「走る」ことについて想起すると、考えた人の脳の中では、実際に走るときの神経回路が活性化するという具合です。

しかも、こうした脳の変化は、5日間以上続くのだそうです。

つまり、夢中になって本を読むと、脳は、あたかもそれを自分が経験したかのようにとらえているということ。「主人公に感情移入する」なんていいますが、脳の中では気持ちだけでなく、行動まで同化しているようです。

名作は、私たちの心を豊かにしてくれます。寒くて外に出たくない・・・そんな日は、読書で新しい「経験」をしてみてはいかがでしょうか?

参考:Scientists say great novels can change brain’s biology
http://www.news.com.au/lifestyle/health/scientists-say-great-novels-can-change-brains-biology/story-fniym874-1226791689829