クリスマスかき氷。先端(栗の渋皮煮)から、ほんのりと炎が。『しもきた茶苑大山』で12月17日〜25日までの期間限定)

写真拡大 (全10枚)

クリスマス直前で、かき氷がアツいことになっていた。まだあまり知られていないが、クリスマス限定のかき氷を提供するお店が増えており、かき氷ファンの間では人気となっているという。果たしてその真相は?『東京かき氷コレクション』主宰で、かき氷愛好家の小池隆介さん、小池さんおすすめのお店のひとつ『しもきた茶苑大山』の店主の大山泰成さんにお話を伺った。

早速運ばれてきたのは、モミの樹を彷彿とさせる『クリスマスかき氷』。先端には栗の渋皮煮が乗せてある。
「では、火をつけますよ〜」
――おお〜〜〜!
大山さんが栗の渋皮煮に点火すると、炎が「ゆ〜らゆ〜ら」と…。カラメルの良い香りが漂う。
――栗の渋皮煮がキラキラしていますね!
「これは金箔です。ちなみに、渋皮煮は、そのまま点火しても火がつかないので、ラム酒に漬けてあって、芯のかわりに砂糖を使っています」(大山さん)
そのため、食べると非常に甘くて美味しいのだ。
色も綺麗…。
「美味しい抹茶は色が良いんです」
お茶にこだわる大山さん。それもそのはず、日本に11名しかいない『茶師十段』なのである!目利きは確かだ。

『しもきた茶苑大山』の公式サイトにも
「全国茶審査技術競技大会」は、日本茶の鑑識眼を競うもので、50年以上の歴史を持つ競技会で、個人戦優勝者には農林水産大臣賞が授与されます。
基準に基づき、初段から10段までの茶審査技術段位が認定されます。

しかも!
平成23年までの10段認定者は11名で、その内2名が『しもきた茶苑大山』の従業員なのだそうだ。
『茶師十段がいかに凄いか』等、これ以上の説明は不要だと思われる。

お茶にこだわる大山さん。抹茶を使用したかき氷は、季節によって絶妙に味を変えているそうだ。
「抹茶は、夏と同じブレンドにすると、渋くて食べられないんです。だから、季節によって、その時に一番美味しくいただけるように、ブレンドを変えます」
さすが茶師十段のお言葉である。

ちなみに、クリスマス仕様のかき氷は、17日〜25日までのわずか9日限定なので、お早めに。
「え?もっと早く教えろよ!」って?
すみません!つい、もったいぶってしまいました。
ちなみに、1月2日からは「お正月かき氷」も提供されるそうなので、そちらもぜひ。

続いて運ばれてきたのは『焼き栗氷』。
点火すると、先端に「ゆ〜らゆ〜ら」と炎が。
和紅茶のムース、天然ゆずの手作りジュレ、ぎゅうひを使用。
もはや、かき氷に使う食材を通り越している。
栗とゆずは大分から取り寄せている。紅茶は鹿児島産を使用。
小池さん「口の中で紅茶の風味が広がっていきます。実に、大人な味です」

ほかにも『そらいろラムネ』『甘酒ジンジャー』など、さまざまなかき氷がある。
体が温まるほうじ茶も、セルフサービスでいただけます。

ここで、『しもきた茶苑大山』以外で、小池さんおすすめの、クリスマスに食べたいかき氷を教えてもらった。

■ホールケーキみたいなかき氷!?(熊谷『慈げん』)
見た目はいちごのケーキみたいに見えるが、実はかき氷。
型を使ってケーキ型にぬいているが、固めているわけではなく氷はふわっとしているという。
上はマスカルポーネ、下は生イチゴのソースと、ショートケーキのように層に分かれている。小池さんによると…
「『慈げん』さんは、とにかくアイデアマン。しかも、コストがかかっているのに、儲けをとるか名誉をとるかといえば、名誉をとっちゃうような人なんです(笑)」
「慈げん」が面白いのは、かき氷は通年営業なのに、うどんは10月〜4月中旬頃までの提供なのだそうだ。普通は逆なのだが…。
「かき氷の行列ができるほどの有名店で、5月頃からかき氷ファンで混雑するんです」
夏は、数時間待ちになることもあるだそうだ。

■『ひみつのいちごみるくXmasスペシャルバージョン』(台東区谷中『ひみつ堂』)
名前からして、ものすごく美味しそうだが…
「いちごみるくの上に、生のいちごが乗っています。完熟イチゴ使用の『生ひみつのいちごみるく』自体、人気なのですが、生いちごが乗ったビュジアルが可愛くて、毎年食べに行かれる方も多いです」

まだまだあります。
■ティーハウス・マユール(川崎市宮前区)
お菓子作りの得意な店主の作るかき氷は、センスが良くて大人の女性にも大人気。
フレッシュなイチゴソースと、こくのあるカスタードがたまりません。

■kitchien かんな(世田谷区下馬)
子供も喜びそうなクリスマスケーキの様なかき氷があります。たっぷりのクリームとベリーベリーが相性抜群です。和食屋さんらしく、和風創作かき氷が得意。
小池さんの推しメニューは『濃厚紫芋牛乳』『氷しるこ』。

全て、お店の方のアイデアが詰まったかき氷。実は100年前にも『焼き氷』というメニューが提供されており、NHK 朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』でも紹介された。作り方や見た目は全く違うものの、『しもきた茶苑大山』のかき氷から上がる炎を見ていると、お店の方の愛情を感じて、幸せな気持ちになるのであった。
(エキサイトニュース コネタ編集部)

●かき氷についてもっと知りたい方はこちらへ
「東京かき氷コレクション」
かき氷愛好家・小池隆介さん運営のサイト
かき氷ガイドブック『かきごおりすと Vol.1』の購入もできます。

(ご紹介したお店) ※お店のメニューによっては売り切れの場合がありますので、ご注意ください。

■しもきた茶苑大山
小池さんの推しメニュー 『ほうじ茶氷』『抹茶氷』
住所:東京都世田谷区北沢2-30-2 2F
定休日:月曜日、臨時休業有り

■慈げん
小池さんの推しメニュー 『ココア』『柑橘MIX』
住所:埼玉県熊谷市仲町45
定休日:水曜日 臨時休業あり  
※営業は11時〜18時だが、かき氷、抹茶氷のみ14時から。

■ひみつ堂
小池さんの推しメニュー 『ひみつのいちごみるく』『パンプキンキャラメル』
住所:東京都台東区谷中3-11-18
定休日:月曜日、火曜日(冬期) ※営業時間は公式サイトやツイッター等でご確認ください

■ティーハウス・マユール
小池さんの推しメニュー 『特選ダージリン』『アボガド』
住所:神奈川県川崎市宮前区宮崎2-3-12-103 
定休日:不定休(ツイッター@mayoorteaで要確認)

■和kitchien かんな
小池さんの推しメニュー  『濃厚紫芋牛乳』『氷しるこ』
住所 :東京都世田谷区下馬2-43-11 2F (最寄駅 東急田園都市線 池尻大橋駅)
※かき氷は11時〜23時  定休日:水曜日