浦添商vs美里工
天久 太翔(あめく・たいと)投手(浦添商)
第44回明治神宮大会の決勝戦で日本文理を相手に奇跡的な大逆転で制覇した沖縄尚学と、互角に渡り合う力を持つ美里工。 その先輩たちからショートのポジションを奪っている石新 恭士(いしあら・きょうじ)を中心に、初戦の美来工科戦で7得点を奪い意気上がるナインに、浦添商期待のサウスポー天久 太翔(あめく・たいと)が立ちはだかる。天久は初回、先頭の石新に四球を出すが、牽制で誘い出し挟殺すると3回まで9人で抑える上々の立ち上がりを見せた。
浦添商は2回、6番の上原 琉希がセンター前へのヒットで出塁すると、続く大城 李玖(りく)に犠打をさせず強攻。これが当たりレフトを襲う二塁打を放つと一塁走者が一気に生還。一転して次打者に送りバントを命じて成功させると、9番阿波連 光が初球スクイズを成功させ2点を先制した。 さらに浦添商は7回にも連続ヒットと四球で一死満塁とすると、代打前原 亘輝(こうき)が果敢に初球を叩きライト前へタイムリー。打つ手打つ手がピタリとハマる浦添商の攻撃陣。さらにニ死後に押し出し四球を選び得点を重ねると、8回にもダメ押しの1点を加えて勝利を決定付けた。
投げては先発の天久が138球を要したものの被安打2、奪三振7と好投を見せ完封。見事チームを2年振り10度目のベスト4へと導いた。 残念ながら先輩に続く大会ニ連覇を逃した美里工の1年生たち。4回に2本のヒットと四球でツーアウトながら満塁と天久をあと一歩のところまで追い詰めたが、サードゴロで得点を逸すると、その後は流れを引き寄せることなく終わってしまった。 だが先発の佐渡山 卓が4回の一死三塁、5回のニ死満塁のピンチを切り抜けると、二番手の安里 一紀も6回の無死一・三塁を二ゴロに斬りホームでアウトにした粘りの守りを見せてくれたシーンなどは、これから先に向けて十分期待できると言えよう。
勝った浦添商は地区予選(那覇北)からここまで全勝で通過。4年振りの決勝進出をかけて対戦するのは、この大会2年連続で準決勝に勝ち進み、同じく地区予選から(那覇南)全勝中の小禄。注目の対決だ。
(文・写真:當山 雅通)
美里工業TEAM浦添商守備位置氏名打順守備位置氏名遊撃石新 恭士1番中堅仲村 恭弥中堅崎浜 秀三2番遊撃与那嶺 瞬捕手知花 樹3番二塁大城 匠一塁砂川 隆之佑4番一塁照屋 陽三塁仲村 大八郎5番右翼伊計 光野二塁宜保 凱士6番三塁上原 琉希右翼宮里 悠也7番左翼大城 李玖投手佐渡山 卓8番投手天久 太翔左翼宇久田 涼貴9番捕手阿波連 光