沖縄尚学vs鎮西 山城大智が圧巻の1安打完投。沖縄尚学が二季振り五度目の九州地区高校野球大会決勝進出!
ベンチに出迎えられる久保柊人
山城大智が圧巻の1安打完投。沖縄尚学が二季振り五度目の九州地区高校野球大会決勝進出!
月日が流れるのは早いものだ。
諸見里 匠や比嘉 健一朗らを擁した前チームが済々黌を下し、同校初となる、"秋の"九州地区高校野球大会では初優勝を成し遂げてからはや一年。あの時のチームに決して引けを取らない現ナインが、昨年に続く決勝進出を決めた。その勝因は大黒柱の山城 大智。初戦の日南学園(宮崎県)、準々決勝の波佐見(長崎県)(2013年10月28日)の二試合に完投し、十六イニング連続無失点中のエースはこの日、試合巧者の鎮西を相手にさらに度肝を抜く快投を演じた。
絶好調久保柊人をはじめ、上位打線が大当たり
準々決勝の波佐見戦で九得点をマークし、コールド勝ちを収めた沖縄尚学打線はこの日も活発。初回のニ死二塁、二回の一死ニ塁、三回のニ死一・二塁と三イニング連続で得点圏に走者を置き、鎮西先発の須崎 琢郎にプレッシャーをかけ続けると五回、この大会準々決勝までに8打数4安打と打率五割を誇る絶好調の久保 柊人がライトへ二塁打。
続く西平 大樹の当たりはサードゴロだったが、これを鎮西石尾 侑規がファーストへ悪送球。久保が帰り先取点を挙げた。さらに沖縄尚学は六回、先頭打者の上原 康汰がライトへ二塁打を放つと犠打で三塁へ。七番渕上 大蔵はセーフティースクイズを見せ(三塁走者は無理をせずスタートを控えた)、焦るピッチャーのエラーを誘い一・三塁とする。ここで沖縄尚学ベンチが仕掛けたのはダブルスチール。 キャッチャーからセカンドへボールが転送される間に三塁走者の上原が生還した。さらにツーアウト後、一・三塁として赤嶺 謙が右へ運ぶタイムリー二塁打で大きな四点目を刻んだ。
[page_break:6回までノーヒットに抑えた山城大智]沖縄尚学・山城大智
6回までノーヒットに抑えた山城大智
マウンドを預かる山城 大智は、六回を終えて許した走者は四球とエラーの二人のみ。無安打ピッチングで今大会の連続無失点イニングを二十二へと伸ばしていた。だが七回、先頭の鎮西・松下 滉にライトへ持っていかれる二塁打を許す。3点差で終盤勝負ならまだ分からないと踏んだか、鎮西は手堅い犠打とスクイズでしかし確実に1点をもぎ取りにいった。 だが山城 大智は八回を三者凡退で切り抜けると、最終回も四球のみで二塁を踏ませず終わってみれば1安打ピッチングで完投し、昨年に続く二年連続のファイナルへ進出した。
敗れた鎮西だが、九州国際大付戦と早稲田佐賀戦で共に2安打を放った中野 航汰と、早稲田佐賀戦で2安打3打点、この日も二塁打を放った松下 滉など今後も楽しみな打者に加え、三試合で349球を投げ込んだエースの須崎 琢朗ら光る選手が見られ、またその試合運びは、県大会で熊本工や済々黌を倒してきた力と粘り強さを、ここ沖縄でも存分に発揮した、良いチームであった。
(文:當山 雅通)
熊本鎮西 TEAM 沖縄尚学 守備位置 氏名 打順 守備位置 氏名 右翼 中野航汰 1番 中堅 赤嶺 謙 左翼 松下 滉 2番 右翼 久保 柊人 遊撃 藤嶽貴大 3番 左翼 西平 大樹 捕手 島崎真門 4番 三塁 安里 健 一塁 山下篤郎 5番 一塁 上原 康汰 三塁 石尾侑規 6番 捕手 伊良部渉太 投手 須崎琢郎 7番 二塁 渕上大蔵 中堅 福山 晋 8番 投手 山城 大智 二塁 岩下将也 9番 遊撃 砂川 修